初夏の訪れを告げる“幻の花「花かつみ」”について
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花かつみの写真
“をみなえし 咲く沢(佐紀澤)に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 戀(こい)もするかも”
万葉集に、中臣女郎(なかとみのいらつめ)が大伴家持(おおとものやかもち)に贈った歌があります。後に松尾芭蕉が『奥の細道』に記したように「花かつみ」は捜し求めても見つからない幻の花といわれてきました。
阿久比町ではアヤメ科の多年草で6月上旬から中旬にかけて鮮やかな紫色の花を咲かせる野花菖蒲(ノハナショウブ)のことを「花かつみ」と呼んでいます。
室町時代に伯耆(ほうき)の国(今の鳥取県)から草木の下芳池に移植されたと伝えられ、桶狭間の合戦の際には、徳川家康の生母於大の方が家康の武運長久を願い、坂部城で「花かつみ」の「勝つ」という名前に思いを込め、仏前に捧げたという伝説も残っています。
大正初期の頃、草木の俳人竹内要七が広島県呉市から調査官をまねき調査させたことから、幻の花と言われだしたため盗掘され、絶滅してしまったと言われていました。その後、昭和になって草木の俳人竹内丁子が自生の1株を発見し、地元の人々によって密かに保護されてきました。
昭和62年には、「花かつみ保存会」が結成され、同年「花かつみ園」が開園して以来、保存会の皆さんの努力で、毎年人々を魅了する花を咲かせています。
愛知県史跡名勝天然記念物調査報告
雨の花かつみ園
満開の花かつみ園
花かつみ園の風景
花かつみ園について
花かつみ園案内図
- 住所
愛知県知多郡阿久比町大字草木字上芳池(株式会社デンソー阿久比製作所北側)
※カーナビゲーション等の設定の際には、「株式会社デンソー阿久比製作所」に設定するとわかりやすいです。 - 交通
電車:名鉄河和線「阿久比駅」下車、タクシーで約10分
車:知多半島道路阿久比インターから約5分 - 入園料
無料 - 駐車場
14台(花かつみ園東側)