五月雨や日記乏しき日の続く |
岡戸 隆明 |
老鶯や悲しき説話残る里 |
赤津 千城 |
青き陽を透かしてまろき実梅かな |
新美 弘子 |
仰ぎ見る者なき郷の実梅かな |
豊田 定男 |
バス停に猫探すビラ五月雨るる |
北中 祥子 |
診察の予約を午後に麦の秋 |
菅原ルリ子 |
陶榻の上に拾いし実梅置く |
新美 京子 |
拾い来し実梅机上に熟れきざす |
浅利 和子 |
五月雨や無我に戴く御髪剃 |
溝口スミ子 |
針持つて妻のいねむり五月雨 |
前田 泰男 |
新緑の風を友とし一万歩 |
深谷 靖 |
五月雨や工事はじまる案内来る |
新美八枝子 |
一キロの馬穴が掟実梅狩 |
下内のぶゆき |
五月雨や碁敵の顔笑かえす |
井本 庄一 |
五月雨や猫につられて大欠伸 |
安井まこと |