障害の特性と必要な配慮
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障害の特性と必要な配慮
身体障害
視覚障害
視覚障害には、全く見えない「全盲」や少しだけ見える「弱視」などがあります。物の位置の把握、色の識別や字の読み書きが困難なほか、目的の場所へ移動することや買い物なども困難になり、生活する上で多くの行動に影響します。
- 誘導ブロックの上には自転車など物を置かないようにします。
- 困っている人がいたら声をかけてください。説明する時は「あっち」「こっち」といった言葉ではなく「あなたの右側に」「真っ直ぐ10m先に」など、障害者の向きを中心にして具体的に説明します。
誘導する時は、支援者の腕や肩につかまってもらうなど、障害者が望む方法で誘導します。
聴覚障害
聴覚障害には、全く聞こえない「ろう」や少しだけ聞こえる「難聴」などがあります。外見からは障害があるのか分かりづらく、気づいてもらえないこともあります。周りの音が聞こえないことで危険な目にあったり、人の話が聞こえないために意思の疎通が図りづらいなどさまざまな不便を感じています。
- 意思疎通の方法として、口の動きを読み取る「口話」、手や体の動きを使って話をする「手話」、紙や手のひらに文字を書いて伝える「筆談」などがあります。
- その他にはファックスや電子メールなども活用されています。
肢体不自由
肢体不自由とは、手や足、胴体に障害があることを言います。原因としては、先天性のもの、事故によるもの、関節の変形によるものなどがあります。
- 障害の部位や程度により必要とする支援に個人差がありますので、困っていたら声をかけて、本人の意思を確認してから手助けをしてください。
- 車いすの方に話しかける時は、腰をかがめて目線を同じくらいにして話すようにしてください。
- 買い物では、体の麻痺や痛みなどから商品を手に取れない場合がありますので、手助けをしてください。
内部障害
内部障害には、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による免疫機能障害、肝臓機能障害があります。外見からは分かりにくいため、まわりの人に理解されにくい障害です。
- 心臓機能障害は動悸、息切れ、疲れやすいなどの症状があります。ペースメーカーという医療器具をおなかや胸部に埋め込んでいる人もいます。
- 腎臓機能障害の人の中には、定期的に人工透析治療を受ける必要のある人がいます。
- 呼吸器機能障害は、肺の機能が低下し酸素が不足している状態です。呼吸困難や息切れの症状があります。
- 膀胱・直腸機能障害は、尿をためる膀胱や便をためる直腸が機能を低下または失ってしまった状態です。人工肛門、人工膀胱をつけている人もいて、そのような人をオストメイトといいます。
- 小腸機能障害は、小腸の働きが不十分で通常の食事では栄養維持が困難な状態です。食事制限のある人やチューブを使って鼻または腹部から栄養を補給する人もいます。
- ヒト免疫不全ウィルス(HIV)に感染すると、免疫機能が低下し感染症を起こしやすくなります。HIVは感染力が弱いので日常生活ではほとんど感染しません。正しく理解し誤解や偏見を無くすことが大切です。
- 肝臓機能障害は、肝臓の機能低下により栄養分を体内で分解したり、有害な物質を無害な物質に変化させることが困難な状態です。
知的障害
知的障害の主な特徴として、物事の理解や判断、読み書きが苦手といったことが挙げられます。
- 説明する時は、ゆっくりと分かりやすく説明します。
- 会話によるコミュニケーションが難しい人には、絵や写真など目で見て分かるようにすると理解しやすくなります。
自閉症
自閉症は脳の情報処理がうまく出来ない障害です。コミュニケーションをとることが苦手なため、対人関係を築くことが難しくなります。また、こだわりが強く見られる人もいます。
- 知的障害のある人やアスペルガー症候群など知的障害のない人もいます。
- 人により違いがあるため、その人の特徴を理解した上で支援する必要があります。
- 一度にたくさんのことを言われると分からなくなってしまう人や、あいまいな言葉だと理解できない人もいます。話しかける時は短く具体的に話すと理解しやすくなります。
精神障害
精神障害とは、精神の病気のために生活しづらい状態のことを言います。代表的な精神疾患としては「うつ病」や「統合失調症」があります。精神障害は誰でもなりうる障害です。周りの人が正しく理解して支えていくことが必要です。
- うつ病は疲れやすい、眠れない、食欲がない、気分が落ち込んでいるといった状態が続きます。回復には時間がかかるので、あせらず治療を続ける必要があります。
- 統合失調症の主な症状は幻聴、幻覚、妄想のほか、自分の気持ちや相手の気持ちに気づきにくくなったり、意欲が低下したりします。自分が病気であるのことを認識できない場合もあります。