広報 あぐい
2005.07.01
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2005年 ほたる(3)

町ホタル専門員 竹内 勝彦

ふ化した幼虫たちは、これから10カ月の水中生活に入りますよ

卵から1年経って、やっとホタル(成虫)になりました。

6月24日、25日にホタル観察会を行いました。昨年より多くのホタルが光り、来場いただいた方に喜んでもらえました。

でも、このホタル(成虫)の命はわずか1週間か10日くらいです。この間に、オスとメスは、光で合図し合って結婚し、メスは産卵します。子孫(命)を残すには、あまりにも短い日数ですね。近年、激減しているヘイケボタルを後世に残すためにも、ぜひ「ホタルは見るだけで、捕らない」を守ってほしいものです。

養殖場では、少しでもホタルを増やすために、成虫を種ボタルとして産卵箱に入れます。メスは、産卵箱(ペットボトルでもできます)に敷いたミズゴケに卵を産みます。卵は20日余の後、小さな幼虫となって生まれ(ふ化し)、自分で水の中へ入っていきます。生まれたばかりの幼虫は、1〜2ミリの小さなものですが、数日後には餌の巻貝を探して歩き回ります。

これから長い幼虫生活が始まるのです。ヘイケボタルは4回脱皮して成長します。4回の脱皮を終えて5齢(終齢)に成長できた幼虫は、寒い冬を越して、上陸の初夏を迎えることができます。さあ、幼虫たちよ、元気に成長しておくれ。(完)

産卵箱と幼虫飼育箱のセット


ヘイケボタルの卵

 
 

蒸し暑い夜

ホタルの観察はいかがでしょう

 

ホタルの観察

これが、「ヘイケボタル」を見るための3つのポイント

1.ホタルは初夏の水辺が大好き!

阿久比町の水田や川のほとりなどに多く生息するヘイケボタル。1年で最も多く見ることができる時期は、6月中旬から7月中旬までの約1カ月間です。淡い光で初夏の夜をほんのりと照らすホタルの姿は、阿久比町の夏の風物詩としてすっかりおなじみになりました。

※阿久比町でも地区によって発生の時期に違いがあります。

2.ホタルは日没1時間〜2時間が一番元気!

ホタルが最も元気に活動する時間は、日没後の約1時間から2時間にかけて。午後8時ごろから午後9時ごろまでが、発光するホタルの姿を確認できる時間です。ホタルの淡い光を美しく映し出す夜の闇が阿久比の町をすっぽりと包み始めたころ、町のあちらこちらで元気に飛び交うホタルを探しに、散歩気分で気軽に出かけてみませんか。

3.ホタルの出現は、天候に左右される!

時間や場所はもちろん、当日の天候にもホタルの生息確認は大きく左右されます。ホタルが最も好むのは、風がなく、蒸し暑い夜。今にも雨が降り出しそうな天候時が一番活動的になります。気が滅入ってしまいそうな蒸し暑い夜も、ホタル探しには絶好のチャンスです。



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