広報 あぐい
2005.07.01
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あぐいぶらり旅 〜自然を求めて〜

シリーズ 阿久比を歩く 7

 
 

矢高地区の箭比(やひ)神社の森を散策した。

入り口の大きな鳥居をくぐると、石段のある参道と砂利道の二つに分かれていたので参道を歩くことにした。

地面に目を向けると、黄緑色のコケが生えている。混ざり気のないその色は鮮やかでとても美しい。触ってみた。水気を少し含み、しっとりとした感じでふかふかのじゅうたんのようである。

奥に進む。まるで子どもの童話の中に出てくるような森の中。耳を澄ますとどこからか、鳥のさえずる声が聞こえてくる。「誰かが来たぞ」とほかの動物たちに知らせているのだろうか。

背の高い杉の木がうっそうと何本も立ち並び、目の前には何段も続く石段が現れ、頂上先には社の屋根が少し顔をのぞかせている。正面から見る光景は昼間でも少し薄暗く、 木々から差し込む陽の光が石段に生えるコケを照らし、とても神秘的だ。(百聞は一見に如かず)

この森には昆虫も多く生息していそうだ。木の根元に落ちる葉っぱの下をのぞいてみた。大きなクロアリが落ち着きなく走り回り、対照的にダンゴムシが昼寝(見た感じ)をしている。

8センチクラスの阿久比産オオクワガタを発見するのが、この森に来た目的の1つでもある。童心に返り、腐って倒れた木の中などをいろいろ探し回った。発見できなかった。残念…。

帰り道、根元から株別れするヤマモモの大樹を見つけた。ワラで編んだしめ縄がまつってある。いかにも神が宿っている雰囲気が感じられるような木だ。根元から空に向かって勢いよく飛び出している幹はとても立派だ。

野鳥や昆虫の生息する貴重な箭比(やひ)神社の森。夏休みに親子で早起きして自然探索するには絶好の場所だ。

次回は宮津地区の熱田社周辺を散策します。

 


昼間でも薄暗い箭比神社の森



根元から株別れするヤマモモ



どこまでもつづく森



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