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2014.02.01


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町制60周年記念 阿久比町子ども議会

〜私たちのできることから 阿久比町をよりよく、誰からも愛される町に〜

町議事堂で平成25年12月25日に町制60周年記念「子ども議会」を開き、町内小中学校から代表20人が議員として出席しました。

保護者などが傍聴席で見守る中、議員たちは緊張した表情で席に着き、午後1時に開会。議長と副議長は、ともに阿久比中学校2年生の竹内一さん、片山登満さんが務めました。初めに竹内議長が「この議会を第一歩として、発展していく阿久比町をより良いものにしたい」とあいさつ。続いて、学校別に3人1組で議員たちが登壇して一般質問を行い、町の答弁を求めました。質問終了後には、片山副議長から提出された決議案「まちづくりに関する私たちの誓い」を全員賛成で可決し、全日程を終了しました。

ここで、一般質問・答弁などを一部抜粋して紹介します。

◇東部小学校 江原歩美議員、近藤晃永議員、松原隼人議員
阿久比町の名物があったらいいのでは
もっと明るく活気のある町にするため、名物を作りPRすることを考えました。例えば、B1グランプリを目指して名物を開発したりすることはいかがでしょうか。
町の観光資源として「阿久比米」「ホタル」「花かつみ」などがあります。着ぐるみで活躍している「アグピー」や、地域の方が中心で整備した「ごんげん山」は、今年誕生した観光資源です。町では観光協会を設立しPR活動に努めています。今後、土産物のコンテスト開催や名物のパンフレット作成などを考えています。
友達との絆を広げよう
学校で悪口や悪い噂を流されて嫌な思いをしている人もいます。「友達と仲良くする日」や「友達との絆を深めることへのスローガン」を作ることや「なぜおこるのか」「どうすれば良いか」をみんなで考える「いじめセミナー」を行ってみてはどうでしょうか。
「いじめ」「いやがらせ」は絶対に許されることではありません。提案はどれも実現可能なもので、児童会が中心となり話し合うことで、友達との絆を広げることができると思います。今後もいじめの無い明るく安全で安心して暮らせる町を目指し努力していきます。
通学路の安全確保
東部小学校北の交差点に歩行者用信号機が無くとても危険です。安全に安心して登下校できるように信号機をつけることはできないですか。
子どもたちが安全で安心して通学できるように町では、交通安全教室や地域の協力による見守り活動を実施しています。信号機の設置は愛知県警察が行っているので、町から半田警察署へ要望しています。
◇英比小学校 竹内涼真議員、加治佐亮佑議員、稲葉大仁議員
公園の設置
坂部には小さな公園しかありません。遊具は無くても広く遊べる場所が欲しいです。坂部付近で使われていない土地があれば、ぜひ公園にして、みんなの憩いの場にすることはできないでしょうか。
坂部地区では、新たにボール遊びなどが可能な広い公園を造るための用地を求めることができない状況です。卯ノ山公園の広場や英比小学校のグラウンドのほか、スポーツ村の無料開放も利用してください。
道路の安全確保
不審者の目撃情報なども伝えられ、暗い道を歩くことが心配です。自転車や徒歩での安全通行のため、見通しの悪いところには防犯灯設置やカーブミラー設置を検討してください。幅の狭い道路や側溝にふたがないところなど危険な道路の安全確保をお願いします。
防犯灯設置やカーブミラー設置は、お父さん・お母さんを通じて行政協力員、学校の先生に相談してください。側溝のふたは、道路の使用状況を判断し設置していますが、通学路などの場合は必要に応じて優先度を高くしています。
「子ども110番の家」
子ども110番の家があるのは心強いことですが、いざというときに駆け込めるか自信がありません。もっと身近に感じてもらうため、ステッカー以外に分かりやすい目印を家につけたり、説明会を開いたりすることで不安が解消され、さらに心強いものになると思います。
全部で53カ所ある子ども110番の家について、ステッカーの表示だけではなく、看板などで今より目立ちやすくすることや、日頃の問題点や駆け込み方などを話し合い、不安を少しでも解消したいと考えています。
◇草木小学校 竹内唯華議員、荒木ゆな議員、杉江颯真議員
危険箇所への対応
草木東の信号の南側交差点は、スピードを出した車が通ったり、夕方には渋滞ができたりします。押しボタン式信号機設置や注意看板の設置はできないですか。草木西交差点から南の農免道路は、坂で見通しも悪いので、運転者が横断歩道だとはっきり分かる看板の設置はできないですか。通学路を安全に安心して通れる対策をお願いします。
信号機設置は町から半田警察署へ要望していき、信号機設置が難しい場合は注意看板の設置を検討します。農免道路の横断歩道設置は、今後も町から半田警察署へ要望していき、注意看板は、もう少し目立つようにすることを検討します。平成26年度には新しい道路が完成し、通行車両も減ると思います。
ゴミのないきれいな町にするために
取り組みについて何か具体的な計画はありますか。呼び掛け看板の設置、ポスターの募集、町内の小中学生が一斉にごみ拾いをする日を設定することも効果的だと思います。
ごみのポイ捨て禁止看板設置や、毎年5月と10月の日曜日に「ゴミゼロ運動」の活動などをしています。一斉にごみ拾いをする日を決めることは、とても良い提案です。まずは、草木小学校から始め、町内の小中学校全体に活動の輪が広がっていくことを期待しています。
あいさつ運動
6月と11月に幼稚園・保育園・小中学校・高等学校が一緒に行っているあいさつ運動は、もっと広げたい活動です。町全体にあいさつの輪を広げるため、具体的な計画があれば教えてください。
運動の輪を広げるには、まず啓発することが大切です。PRポスターを公民館や図書館、広報やホームページで紹介することから始めます。活動を粘り強く確実に継続していくことも大切だと思います。
◇南部小学校 大塚耀生議員、青木麻衣議員、斉藤沙羅議員
新しい町営プールの建設
町民交流の場としても、新しい町営プールが必要です。年中利用できるように、温水での室内プールの建設を要望します。
新たな室内温水プールの建設は、難しいと考えます。中学校に作るプールを参考に、町民の皆さんが「新しい町営プール」をどのくらい希望しているかを研究していきたいと考えています。
阿久比町合唱コンクールの開催
毎年、中学校で行われている合唱コンクールの、クラスが一つとなって歌っている中学生の姿に感動しました。音楽の力で、他校との交流やクラスの団結力を深めるために、町内の小学校が参加する合唱コンクールを行うことはできますか。
合唱コンクールを開きたいという思いはすばらしいですが、学校によっては、人数差など乗り越えなければならない問題があると思います。まずは、学校ごとに高学年で合唱コンクールを開き、問題点などをまとめたものを教えてください。それを参考に、今後の実施について検討していきたいと思います。
学校のトイレ
古く暗いので不便です。トイレ掃除を毎日がんばっても、少し臭ってしまいます。新しくすることを検討し、低学年でも使いやすいように洋式トイレの数を増やしてください。
学校トイレの洋式化率は、町全体で約20パーセントとなっています。「臭い」「暗い」「不衛生」などを解消して洋式化率を上げていくことは、とても大切なことだと考えています。学校の状態を調査し、洋式トイレにする場所や数、工事をする学校の順番などを検討していきたいと思います。
◇阿久比中学校 熊谷佳音議員、廣野貴政議員、岡戸純議員
総合体育館の建設
知多5市5町の中で、阿久比町は唯一総合体育館がありません。総合体育館ができればスポーツに親しむ場として、多くの人が取り組むことができて、避難所としても有効に活用できると思います。
総合計画には、体育館建設についても取り組んでいくこととなっていますが、具体的な建設計画はまだ決まっていません。今後は、ふさわしい体育館とはどのようなものか研究していく予定です。
不審者パトロール
青色防犯パトロールカーで不審者に警告を発していますが、小中学校の通学路の中には、車では通りにくい狭い道、暗い道、人気のない道もあります。自転車でのパトロールを増やすことは可能ですか。
子ども見守り隊や地域の皆さんにも協力をお願いし、自転車や徒歩での活動や、時間帯・区域などについても、きめ細かなパトロールが実施できるように努力していきます。プライバシー保護に配慮しつつ防犯カメラの設置を進め、皆さんの安全を守ります。
通学路の安全確保
町内にはまだまだ危険な場所があり、そこを通って登下校するのは不安です。通学路に限ったことではなく、町全体の道路の安全を見直すことで、事故を減らすことができるのではないでしょうか。危険な場所へ、カーブミラー・ガードレール・道路標識の設置をお願いします。
カーブミラー・ガードレール・道路標識などは、地区の行政協力員の皆さんからの要望で設置しています。登下校中に、道路の傷みなどに気が付いたら連絡してください。町道全体の道路の見直しには、多大な費用と労力が必要です。優先順位を決め、今後もできる範囲で行っていきます。
◇阿久比中学校 篠倉なつみ議員、土井春香議員、山田将也議員
エコ、環境対策
中学校のエアコン設置に続き、各小学校にもエアコンを設置する予定があり、消費電力が増加すると考えられます。公共施設に太陽光パネルの設置はできないでしょうか。ゴミゼロ運動の啓発に、キャラクターを入れたポスターコンテストやエコ、環境新聞コンテストを開催してはどうでしょうか。
エアコンの取り扱いには一定のルールを決めて、節電に心がけて使用するようお願いしています。学校に太陽光パネルを設置することは今後研究していきます。ゴミゼロ運動は毎年5月と10月の2回行っています。環境衛生週間にポスターを募集し、啓発活動を行っています。
バリアフリー
中学校は、スロープ・手すりが一部にありますが、段差が多くバリアフリーではありません。小中学校や公共施設にスロープ、エレベーターを設置し、バリアフリー化をお願いできないでしょうか。
中学校では、東側昇降口のスロープ設置や階段に手すりを設置するバリアフリー化を進めてきました。小中学校にエレベーターを設置するのは、場所の問題や費用が多額になるなどで難しいと考えます。公共施設のバリアフリー化で役場新庁舎は、車いす利用者の出入口段差解消、スロープの設置などを計画。長年の要望が実を結び、阿久比駅にエレベーターが設置される予定です。
体育館の安全設備
中学校の体育館は避難所になっていますが、地震が起こった場合、天井の落下などの可能性があり心配です。安全点検や補修工事が必要ではないでしょうか。体育館の放送設備が不良で連絡が円滑に伝わらないため、新しいものに替えていただけないでしょうか。夜間開放時に必要になったときのため、体育館にAEDの設置をお願いします。
小中学校の校舎と体育館の耐震化は完了していますが、大地震や劣化などで体育館やホールの天井材の落下事故が近年起きていることから、天井材やバスケットゴール・照明などについて、問題が無いかを調査し対策を検討します。放送設備は、不具合などで改善が必要と判断した場合は、できるだけ早い対応をします。AEDは、設置する場合の費用・方法などについて、研究していきたいと考えています。

まちづくりに関する私たちの誓い

私たちの町、阿久比町は町制60周年をむかえ、今もさらに発展し続けています。

阿久比町にはホタルをはじめ、豊かな自然や、菊づくり、山車祭りなどの誇れる伝統があります。このすばらしい自然と伝統を守りつつ、更に発展させていきたいと思います。そのためにはまず、将来を担う私たち子どもが、今できることを皆で協力して行う必要があります。

地域の行事、町全体で行われるボランティア活動への参加や、住みよい環境づくりなど、私たち子どもにできることはたくさんあります。

これらのことを通して阿久比をよりよく、そして誰からも愛される町にしていくことを誓い、次のことを宣言します。

一 ボランティア活動や清掃活動に進んで参加し、私たちの手でこの町を住みやすく、きれいな町にします。

一 周りの仲間や友達との絆を大切にし、思いやりの心があふれる町をつくります。

一 笑顔あふれる町にするために、私たちで率先してオアシス運動を推進します。

一 豊かな自然と伝統を大切にし、次世代の阿久比町をしっかりと受け継いでいく努力をします。

平成25年12月25日
町制60周年記念阿久比町子ども議会

町長総括

今議会は、安全面に関する質問が多かったことが特徴でした。安全面については、十分な施策を行ってきましたが、まだ不安な部分をなくす必要があると感じました。まちが安全になれば心に安心が生まれ、まちを良くして行こうという気持ちになります。自分の住んでいるまちを良くするには、町民の心を一つにし、みんなで一緒になって知恵や汗を出し協力することが、小さな阿久比町にとって一番の力になるところです。将来を担うあなたたちが立派な大人になって、地域社会で活躍されることを心から祈っています。


町長さんは、私たちに語りかけるように答弁して、話の内容が本当に分かりやすかったです。私も一般質問でもっと語りかけるように発表すれば良かったと思いました。

(江原歩美さん・東部小6年)

教育部長さんがどれも実現可能と言ってくれたので、とてもうれしかったです。今後も自分が提案したプロジェクトの実現に向けて、がんばっていきたい。

(近藤晃永さん・東部小6年)

子どもの提案に大人が真剣に答えてくれたのでよく理解できました。本当の議会みたいで、いい体験ができました。

(松原隼人さん・東部小6年)

自分たちの順番はとても緊張したが、一生懸命発表しました。児童会副会長なので、できることをがんばってやろうと思います。

(竹内唯華さん・草木小6年)

中学校で今日参加していた他の小学校の子と会えると思うので、そのときは今回のことを話せればと思いました。

(荒木ゆなさん・草木小6年)

「あいさつは、まずは自分からやることが大事」との答えに、なるほどと思いました。これからも、自分からあいさつすることを続けたいと思います。

(杉江颯真さん・草木小5年)

議長という形で出席しましたが、今度は意見提案もやってみたいと思います。

(竹内一さん・阿久比中2年)

この議場で子ども議会ができるのは、私たちで最後だと知り、少し誇らしげな、寂しいような気持ちです。これからもより良い中学校づくり、町づくりに貢献していきたいです。

(熊谷佳音さん・阿久比中2年)

議場の雰囲気は、厳粛で緊張感が高まりました。子ども議会に参加することができてうれしい。

(廣野貴政さん・阿久比中2年)

今回の提案は、すぐに実現しないこともあると思うが、この議会が阿久比町をより良い町にする一歩になったのではないかと思います。

(岡戸純さん・阿久比中2年)

僕が思いつかない質問をする中学生はすごいと思いました。この経験をいかし、児童会の仕事をもっとがんばろうと思いました。

(竹内涼真さん・英比小6年)

本物の議会を感じられて良かったです。僕たちの意見に対してしっかりと答えてくれたことがうれしかったです。

(加治佐亮佑さん・英比小6年)

あまり訪れない役場や議場で、充実した貴重な日が過ごせました。この経験をいかして、これからもっと努力していきたいです。

(稲葉大仁さん・英比小6年)

普段は絶対に入ることがないような部屋に入れてうれしかった。多くの大人が見ている中での発表はとても緊張しました。

(大塚耀生さん・南部小6年)

発表はすごく足が震えたけど、何度も練習したことを思い出して一生懸命がんばりました。大人になってもずっとこの思い出を忘れません。

(青木麻衣さん・南部小6年)

大きく深呼吸をして発表しました。少しつまずいたところもありましたが、一生懸命発表することができました。この体験をぜひこれからの人生にいかしたいです。

(斉藤沙羅さん・南部小6年)

副議長として「まちづくりに関する私たちの誓い」を朗読でき良かったです。実際の議場で行え、良い経験になりました。

(片山登満さん・阿久比中2年)

私たちが気付かなかった事や新しい案を出していただき、本当に勉強になりました。子どもと大人の力の差を改めて感じました。

(篠倉なつみさん・阿久比中1年)

子ども議会で出た意見や回答を、多くの方に知ってもらえると良いと思います。何年に1回ではなく、もっと開催して欲しい。

(土井春香さん・阿久比中2年)

大勢の前で堂々と話せたことは、自信になったと思います。僕たちの手で、もっと良い町にできると思いました。

(山田将也さん・阿久比中2年)