新年明けましておめでとうございます。

皆さまにおかれましては、輝かしい新春をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

暁　鐘

今年の題字は「暁鐘（ぎょうしょう）」といたしました。夜明けに鳴らす鐘という意味です。

昨年は東日本大震災が我が国を襲い、私たちを心の底から震撼（しんかん）させました。被害も未曾有のもので、お亡くなりになった方の霊も生存者も、帰る我が家を無くし、故郷さえも失われてしまいました。この悲しい出来事を思うと、今年は新年をいつものようにお祝いすることもはばかれる気がいたします。被災者の皆さまのご冥福をお祈りするとともに、お見舞い申し上げます。

太陽は必ず東から昇り朝を迎えます。私たちは、今こそ夜明けを告げる鐘を力強く鳴らす時だと思います。その思いを込めて、「暁鐘」としたためました。

2012年は「辰年」

今年の干支は辰（竜）です。十二支にはそれぞれ動物が当てはめられていますが、竜だけが唯一実在していない動物です。その姿は摩訶不思議（まかふしぎ）で、水墨画では雲の合間から顔や手爪や鱗（うろこ）が描かれて、体全体は隠されており、より一層大きな存在として私たちの想像をかき立ててくれます。天に登り雷雲を呼び雨を降らすことから、日本では竜神様と呼ばれ、水の神様としての信仰があり、強く農耕文化と結びついています。

今でこそ愛知用水のお陰で私たちは干ばつの心配をしなくて済んでいますが、過去には知多半島に一万を越すため池があったように、水不足のたびに竜神様へ雨乞いを行っていたものと思います。阿久比町が米作りに適していたのは、阿久比川を擁し田に水を引くことができたからではないでしょうか。そのように考えますと蛇行する阿久比川が竜に見えてきます。

景　気

昨年は、震災により日本経済は大打撃を受けました。津波の破壊力は東日本だけでなく、全国に影響が及び、部品の調達不足や電力不安などによる生産の低下があり、小売やサービス業も消費の低迷により経済は冷え込んでしまいました。一方、世界経済ではユーロ圏の金融危機で円高が進み為替レートが最高値をつけるなどマイナス要因が多くありました。そのような中にあっても、我が国は震災復興を旗印に景気の持ち直しに努力を重ね、落ち着いてきました。私は、必ずや復興も景気回復もされるものと信じています。

快適な町づくりへ

町の発展と活力は、その町の人口動向が重要になってきます。昨年12月1日現在で本町の人口は2万6,489人となり、現在も増加中であります。自然環境の良さと生活のしやすさが人口の増加要因となっているものと思います。

循環バスの利用も当初予測よりも多く、好評をいただいています。より利用しやすい皆さまの公共交通となるよう改善を進めてまいりたく思います。

新保育園建設は、現在造成工事を進め、今年は園舎建設に入り、平成25年度の開園を目指します。

また、新庁舎建設に向けても着々と準備が進んでいます。間もなく建設基本構想がお示しできる予定ですので楽しみにしていてください。

住宅開発では、陽なたの丘の第2期造成工事が始まりました。新しい街が増えてくる光景は希望に満ちており、人口増加にも期待が持てます。

これからも『みどりと共生する快適生活空間・あぐい』を目指して「安全・安心・安定」を基本に、ホタルと共生できる、利便性の良い快適な町づくりを進めてまいりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。