広報あぐい

2010.12.01


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阿久比川柳会作品

課題「秋」「曲がる」
青空に曲がった腰も伸びをする 知 江
もう秋のはずも入道雲元気 大 作
言い分を互いに曲げて平和な日 蛍 子
秋風にそろそろ終わる夏の恋 穂多留
幾つもの道曲つての今がある 正 江
陽炎に誘われ曲がる夢の道 砂 絵
嫁ぎますリンゴ真っ赤に実る頃 登美子
反抗期に色々踏んだ曲り道 みつば
秋風が泣いた酷暑を消しに来る 松 衛
事故生んだカーブレールの軋む音 よ し
秋の風 亡母の小言の声がする ますみ
晩秋色の景気に竪くなる財布 季 節
夢がありまだ先に置く萩の寺 早那恵
生温い秋風の吹く世の異常 利 夫
白家園曲がりキュウリも白信作 寿美子
前向きに生き人生の秋を蹴る 滋 矩

阿久比町短歌の会

カーテンの花と胡蝶が涼しげに部屋の畳に花園描く 岡本 育与
気管支の弱さ嫁なり夏風邪にしわぶきもれ来て吾が胸いたむ 大村寿美子
生かされて切なき祈りくり返す六十五年しメモリアルデー 長坂吉余子
悠久をながれつづける福山川清掃終り子鴨が泳ぐ 竹内 久恵
重々とこうべを垂れし稲穂達農家のよろこび目の前に浮く 橋立 智子
朝ごとに弾みし声で朝顔を数へし少女ら八月終る 奥田 貞子
とりどりのボトル供えし渇水碑かっすいひ南方で散りし兵士をしのぶ 三留  享
きし空き家にてば吹く風があるじの無きをそっと知らせる 木村 久世
うるおいを持てざるままに夕暮れのくりやに立ちてそっと息つく 勝  暁子
「ツインビル」東の空にき然たり雷雨の日にもゆらぐことなく 佐野 雄造
あれこれと安価につられスターチスの軽さで選ぶ百円ショップ 加藤かずみ
健診で去年と体重変らぬも腹囲五センチ伸びる不気味さ 山崎 淳子