広報あぐい

2010.11.01


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たけぼうきにのったあみちゃん

〜みんなの童話〜

 ある日のごごのことです。
 あみちゃんは、とってもたいくつしていました。(何かおもしろいことは、ないかなぁ)
 あみちゃんは、ふらりと家のうらへまわって、ものおきをのぞいてみました。
 ものおきには、古いなべとか、ざるやはしごなどが、ごちゃごちゃと、おいてありました。
 あみちゃんが、(つまんない)と思って外にでようとしたとき、たけぼうきが、目にとまりました。
(やったー。まじょのほうきじゃん。たけぼうきにのって空をとぶんだ。本にかいてあった)
 そう思ったあみちゃんは、たけぼうきを、またいでみました。
 あっ。身体がうきました。
 ガッタン。ゴットン。たけぼうきは、外にでたそうに動きます。
 あみちゃんが、たけぼうきの先を外にむけました。すると、ういて前にすいすいと進みます。
 おもしろくなったあみちゃんは、公園へ行きました。友達が、あそんでいました。でも、あみちゃんが、手をふっても友達は、しらんぷりであそんでいます。あみちゃんが、見えないようです。
 がっかりしてかえってきたあみちゃんは、たけぼうきをものおきにしまうと、
「おやつ、ちょうだい」
と、お母さんのところへ行きました。(お母さんに、話そうかな)と思いましたが、
「そういうあぶないことを、するものでないよ」といわれそうなのでやめました。
 次の朝、あみちゃんは、たけぼうきのことがきになりました。
 ものおきへ行くと、たけぼうきは、昨日と同じところに立っていました。「あみちゃん、あそぼ。あみちゃん、おいで!」
 呼ばれたあみちゃんは、ほうきにのって外へでました。昨日よりうまくとべます。今日も公園へ行きました。
 カラスたちが、
「カア、カア。早く来いよ」
「今日のごみは、うまいぞ。カア」
「カン子、こっちですよ。カア」
と、ごみおきばの上をとんでいます。(あぁ。カラスたちが、ちらかすんだわ。困ったことだ)
(カラスたちは、だまっていればかってにごみをあさるわ。そうだ。おもいきって注意してみよう)
と、考えたあみちゃんは、
「カラスくんたち。ごみをちらかしちゃいけないよ。道いっぱいにちらかすから、みんなが困るんだよ。やめなさい!」
と、大きなこえで、いいました。
「なんだ。このなまいきな生きものは?」
「鳥か。鳥にしては羽がない」
「ばけものか?。今ごろまじょはいないはずだ」
 カラスたちには、あみちゃんが見えるようです。するどいくちばしで、せめてきました。
 あみちゃんは、ほうきをしっかりにぎると、上にのぼったり、急に降りたり、横にとんだり、縦にとんでカラスたちを困らせました。
 カラスたちも、ほうきをゆすったり、手をつっついたり、かおの前をとんでおどしてきました。
 はげしくたたかっていると、男の人が、ごみをだしに来て、
「しーっ。しーっ」
と、おいはらいました。
 カラスたちは、にげていきました。カラスたちのさったあと、あみちゃんは、さくらの木によりかかって、休んでいました。
と、女の人が、ごみをだしに来て「あら。今日もちらかっているわ」そういいながら、かたづけ始めました。
「おはようございます。私もてつだうね」
 あみちゃんは、たけぼうきで、ごみをはきよせました。
「ありがとね。たすかるわ」
 おばさんは、よろこんでくれました。二人で、そうじをしてかたづけました。
 家にかえったあみちゃんは、たけぼうきを、こっそりもとのところへ、かえしておきました。

しろやま会員 かたやま のぶこ