広報 あぐい
2010.01.01
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幼・保・小・中 一貫教育プロジェクト

〜全国へ発信(56)〜

 

平成22年の阿久比町の教育に思う

新年あけましておめでとうございます。教育長を拝命して5年、町民の皆さんには、本町の教育行政ならびに園・学校の教育活動に対して格別のご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。

2010年幕開けにあたり、0歳〜15歳までの保育・幼育・教育について、教育長としての思いを語らせていただきます。

人は奇跡と言われるほどの確率で、この世に生を受けます。以来、永々と航海を続け、やがて終えんを迎えます。人生の長さは、人それぞれに違いはありますが、人として、日本人として、たった一つしかない命を、社会のため、人のため、家族のために燃やし続けるのです。その自分探しの旅、すなわち「生涯学習」を積極的に支援・情報提供するのが教育委員会の使命です。その基礎・基本を定着させる時代が0歳〜15歳、保育園、幼稚園、小中学校なのです。

かつて園、学校は「文化の伝承」を目的としていました。画一的な内容を、一斉に教え込む教育に邁進してきました。したがって、指導法は、どのように問題を解けばよいかを教えていればよい時代でした。しかし、今日のように科学技術の発展とともに、国際化、情報化の時代となり、日々刻々と変化する時代、その伝えるべき内容が計り知れないほど多くなっています。その上、価値観の多様化、多極化により、「教える教育」から「学ぶ教育」へと質的変換をせざるを得なくなりました。このような激動する教育現場の中で、つまずきや戸惑いをもつ園児・児童・生徒がいることも確かです。

さて、以前私が校長時代に教職員や保護者に提言したことを紹介します。「毎日学校へまじめに登校し、きちんと授業を受けているにもかかわらず、学習内容が理解できずに取り残された児童・生徒。だからといって学校を休むことなく、学校は毎日通う場と自ら言い聞かせ、授業に参加し、45分・50分間じっと座っている、そんな子どもたちに何と声かけすればいいのだろうか。学校は、問題行動を起こした子どもたちに目を向けがちである。それでいいのだろうか。教室の片隅でじっとしながらも頑張っている子どもたちに、教師は、学校はどれだけの目配りをしているだろうか。どの子も同じように歩くことも見ることもできずに『オギャー』と泣いてこの世に生まれ出た。その子どもたちが義務教育の9年間のどこかでつまずき、進級し、そのまま卒業していく。これを解決するには、保護者の協力が最も大きな力となる。まさに、ここに学校と家庭・保護者の連携が不可欠となってくるのである」。

学力低下が叫ばれ、いじめ、不登校など教育課題が山積する中、このような思いをもって、阿久比町幼保小中一貫プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトがめざす「欠落なき教育」「落差なき教育」「段差なき教育」を常に念頭に教育活動を進め、生活習慣、学習習慣の定着に邁進することが、まじめに頑張る子を救うこととなると信じてやみません。それが、山積する教育課題の解消にもつながるものと自負しています。そして、その最大の鍵は、学校、家庭、地域の一体化、学校支援地域本部の構築にあります。ご支援をよろしくお願いします。

□問い合わせ先
学校教育課 TEL (48)1111(内202)


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