広報 あぐい
2007.08.15
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阿久比町短歌の会

 
陰謀の渦巻く古代史消すほどに美しきかな春の海原 岡本 育与
街灯の明かり(まる)くにじませて降る雨白く塀にしたたる 勝  暁子
我が家より見ゆる大きな溜池にカイツブリひと日巣作り励む 竹内 清己
夕暮て未だ帰らぬ孫の如安否気づかう軒のつばくろ 大村寿美子
あばら骨三本足りぬ房州(もの)温暖さゆゑか偉人出ずとふ 奥田 貞子
手動ドア椅子は固くて良いのですそれが古里(さと)へと続く列車なら 加藤かずみ
おちょぼ口の物言いたげな紙びなは宅老帰りに我が家に来たる 竹内 久恵
亡妻(つま)の魂来ても遊べよ五月陽(さつきび)のてらてら(てら)らふこの芝庭に 田中 太平
愚痴言わずうつつの流れに添ひて日々勤めし媼召されて逝きたり 長坂吉余子
「元気でね」又会う日までと駅で別れ一人家路に思い出運ぶ 新美 功子
考えた一生懸命考えた我が脳味噌は潤い足らず 橋立 智子
また一つ歳を重ねて振り向けば山や谷あり今が有りなん 木村 久世


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