底にまで引き込まれそうな青さなり気温零下の今朝の摩周湖 |
講師 岡本 育与 |
唐突に義理かきし事よみがえり責め負う心の静もりを待つ |
勝 暁子 |
焼きすぎし鯛の眼の下食へと言う妻と夕餉の卓に向き合ふ |
竹内 清己 |
争はず美しき日本を双肩に担いて立てる若き宰相 |
大村寿美子 |
解けがたき人の心根言動のわからぬままに我黙すなり |
加藤かずみ |
新米を炊いてみたけど気付かれず質より量の家族と知れり |
木村 久世 |
急ぎ来て取りし受話器はツーツーとひと足おそく心に残る |
竹内 久恵 |
いとしきは大和撫子といふ言葉面影顕ちて今恋ふるかな |
田中 太平 |
空も海も茜に染めて日が沈む一瞬かがよふ夕映えの海 |
長坂吉余子 |
米作り休んだ一年楽あらず来年やれるか今から不安 |
新美 功子 |
背に負える孫のぬくもり感じつつ杳き昔の子育て思う |
橋立 智子 |
待ちわびし白菊の花咲き初めて母の墓前に初咲き供ふ |
桃井 昌子 |