| 日盛りといふ静けさのありにけり | 
          岡戸 隆明 | 
         
        
          | 走馬灯草花ばかり咲きみだれ | 
          菅原ルリ子 | 
         
        
          | 知らぬ者同志も会釈盆の道 | 
          前田 泰男 | 
         
        
          | 朝顔や学舎の窓辺濃紫 | 
          豊田 定男 | 
         
        
          | 母許に早めの帰郷盂蘭盆会 | 
          北中 祥子 | 
         
        
          | さみしさにはや灯を入るる盆燈籠 | 
          新美 京子 | 
         
        
          | 祖父の顔知らぬ墓参の孫愛し | 
          浅利 和子 | 
         
        
          | 慈しむ犬に疎まる酷暑かな | 
          溝口スミ子 | 
         
        
          | 蝋涙は死者の涙か魂祭り | 
          都築 玲子 | 
         
        
          | 一斉の舞の手が衝く天の川 | 
          赤津 千城 | 
         
        
          | 風さそふ打ち水清し奥座敷 | 
          新美 弘子 | 
         
        
          | 盆用意四脚そろわぬ茄子の馬 | 
          深谷  靖 | 
         
        
          | 洗ひ髪月に曝してポストまで | 
          新美八重子 | 
         
        
          | 櫓組む老の手だれや汗光る | 
          下内 信幸 | 
         
        
          | 年頃の襟元涼し下駄の音 | 
          井本 庄一 | 
         
        
          | 絵手紙の朝顔の藍滲みおり | 
          大棟 峯子 | 
         
        
          | 朝顔や動き初めたる路地の風 | 
          安井  誠 | 
         
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