2009.10.15

★苗代句会作品集

新涼（しんりょう）の風に乗り来る童唄	岡戸　隆明
新涼の書肆（しょし）に古事記（こじき）の漫画本	菅原ルリ子
投網（とあみ）打つ漢（おとこ）新涼引き寄せり	豊田　定男
月見草（つきみそう）没日（いりひ）に向（むかい）きて乾門（いぬいもん）	北中　祥子
虫の夜別離（べつり）を歌ふ声細し	新美　京子
ひと叢（むら）の野萩（のはぎ）のゆれに夕日さし	浅利　和子
新涼のあられたつぷり海苔茶漬（のりちゃづけ）	溝口スミ子
新涼や素足（すあし）になじむ桐（きり）の下駄	赤津　千城
句作りにほっとひと息虫の声	新美　弘子
絵手紙（えてがみ）の色に新涼（しんりょう）滲（にじ）みけり	深谷　　靖
新涼や木曽（きそ）霊山（れいざん）の守り札	新美八枝子
乗船の錨（いかり）に纏（まつわ）る夜光虫（やこうちゅう）	下内のぶゆき
命かけ雌（めす）に取り入る虫の声	井本　庄一
露草（つゆくさ）や悲恋（ひれん）の民話（みんわ）継（つ）ぐ泉（いずみ）	安井まこと

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