広報 あぐい
2008.11.01
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あぐいぶらり旅 〜施設かいわいを行く (阿久比交番)〜

シリーズ 阿久比を歩く 87

 



駅前のシンボルモニュメント「明日へ」


阿久比交番


阿久比交番の周りをぶらり歩くことにした。

役場を出発して阿久比駅に向かう。時間は午後4時少し過ぎ。下校する学生の姿が目立つ。駅を目指す高校生たちと同じ方向に歩く。

“大きな躍動感と上昇する力”を表現したモニュメント「明日(あした)へ」が駅前ロータリーを引き立てる。平成10年3月に阿久比駅前土地区画整理事業のしゅん工を記念して建造されたものだ。天にも昇るような勢いのモニュメントを横目に交番へと歩を進める。

阿久比交番は平成18年4月に半田消防署阿久比支署の北側から名鉄阿久比駅前に移転。交通安全や防犯などの拠点として、町民の安全や安心を担っている。

交番内には2人の「おまわりさん」の姿が見える。怪しい者と間違われないように、2人で歩いていることを説明。気さくに対応してくれて「ごくろうさまです。頑張ってください」と激励を受ける。

「昔、怖い目に遭いそうになったことがあります。改札口を抜けたら、横着そうなお兄ちゃんが腰を下ろして、目を細めて僕のほうを見てるんですよ」。「へぇー。それでどうしたの?」と私は興味津々で友人に尋ねる。「お兄ちゃんが急に立ち上がり、笑みを浮かべて手を振るんです。『えっ』と思い、後ろを見たら女の子が手を振ってました」。「よくある話じゃん。交番とどう関係があるの?」。「今は交番があるから安心ですけど、駅前が変な意味でにぎやかだったころは、誰でも勘違いしたと思いますよ」。「なるほどね」。

偶然にも中年の女性たちが「ここに交番が移ってきてよかったね」と話す声が聞こえてくる。おまわりさんたちはパトカーに乗り込み、パトロールへと出掛けて行く。

交番を後にして、線路沿いを北に進み、オアシス大橋を歩く。田んぼの方から稲刈りを終えたばかりの独特な“におい”が風に乗って流れてくる。〈秋の日は釣瓶落(つるべおと)し〉西空の夕焼けが消え、急に暗くなってきた。



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