広報 あぐい
2005.12.01
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あぐいぶらり旅 〜川沿いを歩く〜

シリーズ 阿久比を歩く 17

 
童話「ごんぎつね」の舞台となった権現山  
 

今回は阿久比町と半田市の境界を流れる矢勝川沿いを歩いた。

毎週のように土曜日になると雨の降る日が続いたが今日は久しぶりのいい天気。

スタート地点の半田池のほとりから西の方角にくっきりと鈴鹿山脈が見える。山の頂にはまだ雪はないが、この原稿が皆さんに読まれるころには多分うっすらと雪化粧していることだろう。

遠くに見える山を背にしてぶらり旅を始めた。川の流れは昨日の雨で少し増水し、濁っている。小高い丘にはミカン畑が広がり、ちょうど食べごろに色づいたミカンが鈴なりになっている。

望遠レンズ付きのカメラを持った1人の男性と出会う。「何を撮っているんですか」と尋ねると、「カワセミを撮りにね。だけど今日はダメ。来ていないみたい」と答えてくれた。私たちもぜひカワセミの姿を見たいと思い、しばらく静かに身を潜め待っていたが、残念ながら現れてくれない。川の土手には白や黄色のチョウが飛び交っていた。

知多半島道路の少し手前くらいから、川沿いは舗装された道路に変わり、サイクリングやジョギングを楽しむ人たちと多くすれ違うようになる。

北前方には、新美南吉の童話「ごんぎつね」の舞台となった権現山が見える。童話の中で“兵十”が病気の母親に食べさせるために捕まえたウナギを“ごん”がいたずらして、口にくわえて逃げて行ったのがこの辺りなのかと思い、振り向いて川をのぞこうとすると、目の前をウナギではなく、ヘビがニョロニョロと草むらの中に消えていった。

「川沿いを歩く」の連載は今回で終了します。次回からは「阿久比の史跡を巡る」を連載します。


◆拡大図はこちら◆
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カワセミを探した場所



舗装されている川沿い



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