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2013.02.01


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幼・保・小・中 一貫教育プロジェクト

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子ども達の睡眠について考える〈その2〉

— 阿久比町「寝る子は育つ」復活計画 —

第1回講演会の内容を紹介した12月15日号に引き続き、第2回講演会の内容を紹介します。

阿久比町「寝る子は育つ」復活計画第2回講演会
平成24年11月2日(金)開催
□演題 子どもの発達と生活リズム〜これからの子ども達に今必要なこと〜
□講師 和洋女子大学教授 鈴木みゆき 氏
○子どもの就寝時間は、大人の管理が必要

体内時計の周期は25時間だから、前日より1時間ずつ遅く寝るのが楽。放っておくと就寝時間がどんどんずれていく。子どもの就寝時間は、大人がしっかりと管理する必要がある。

○日本は世界に類のない「子どもが遅寝の国」

1980年〜1990年に、子どもが急速に遅寝になった。これはコンビニが劇的に増加し、ファミコンが普及した時期と一致する。子どもが遅寝になることで、さまざまな弊害が出ている。

○朝の光を浴びて体内時計をリセット

午前中から脳をしっかりと働かせるためには、家を出る1時間前に起きるのがベスト。朝の光を浴びて、体内時計をリセットすることが大切。五感を刺激し、背筋を伸ばして姿勢を正すと、脳も体も働き始める。朝ごはんは、味覚・臭覚を刺激する。寝起きをよくするには、遮光カーテンよりも、障子の方が良い。“ようよう白くなりゆく”ことが大切。

○メラトニンシャワーは低学年までがピーク

成長ホルモンの1つであるメラトニンは、活性酸素から体を守る、老化防止などの働きとともに、思春期が来るまで第2次性徴を抑える働きがある。このメラトニンが大量に分泌されるのは小学校低学年までで、メラトニンシャワーとも言われる。この時期に、しっかり寝ていないと、女子は初潮が早まり、それとともに身長の伸びが止まり、将来の子宮けいがん・子宮体がんの排出因子ともなる。メラトニンなどの成長ホルモンは、真夜中の午前0時少し前が最も多く分泌される。逆算すると、午後9時に就寝することが大切。

○学力と生活習慣はリンクする

早寝早起きとともに、朝食が重要。朝起きて脳と体が動くためには、エネルギーが必要。つまり、しっかり朝ごはんを食べることが大切。しかし、睡眠不足になると、朝食欲がなく、朝食を抜く子どもが多くいる。「早寝早起き朝ごはん」という生活習慣を身につけることは、学力向上にもつながる。ある調査では、東京大学の学生は朝ごはん摂取率が100%とのこと。全国学力・学習状況調査で学力No.1の秋田県の学生は、朝のご飯とみそ汁は基本であるとも答えている。学力と生活習慣はリンクする。基本的生活習慣は、繰り返し行うことで身に付く。子どもに身に付けさせたい「力」とは、24時間をコントロールする「自律」と、生活を自分で立てていく「自立」の2つ。

○睡眠不足になると…

睡眠不足になると、気分が落ち込む、イライラする、意欲がわかない、疲れやすいと、よく言われる。小学校の高学年までは、それが外に現れるので、攻撃的になる、集中力・記憶力が低下する傾向にある。しかし、年齢が上がれば上がるほど、それが内に現れるようになり、うつ傾向になる。全国的な調査でも、睡眠不足で朝起きられない子は、忘れ物が多い、叱られる回数が多い、学力が低いという結果が出ている。今一度、子どもの睡眠時間、就寝時間を点検し、生活習慣改善を図ってほしい。

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