広報あぐい

2013.02.01


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阿久比町短歌の会

愛猫はわれの心の先を読み「こら」と言われる前に逃げ出す 岡本 育与
落葉の紅葉の錦の美しさ掃き捨てるなく庭隅に寄す 桃井 昌子
寒風に吐く息白くジョギングの若者強し夜明けの道を 竹内 久恵
図書館で来年気になる文字問はれ「島」と書きたり沖縄案じつつ 山口  J
錦秋をたずねて走る高速道湯宿に憩う至福の一刻 大村寿美子
隣屋のアンテナに止まる鳥一羽四方を見渡し何を思うや 渡邊百合子
時問に追われ心せきつつ整えし夕餉の後の空しき怠惰 勝  暁子
農業をこよなく愛せし亡き父のれて百年 十月二十七日 橋立 智子
縁側に針仕事する老女いて猫丸まりて昭和の景色 加藤かずみ
春未だ夢と華やぐ名優の生涯映すその舞姿 山本きさ子
銀杏の葉の色鮮やかに舞ひ上がり木枯の吹く道を彩る 佐野 雄造
阿久比野の空を覆へる真綿雲綿打ち直せし時代がありき 三留  享

苗代句会

十二月作品
寒椿楚々そそと一花の咲き初むる 岡戸 隆明
日差しなき庭を灯して実南天 溝ロスミ子
一坪の納屋を清めて注蓮しめ飾る 下内のぶゆき
わらべうた歌ふ母子の冬至とうじ風呂 安井まこと
盲導犬もうどうけん時に身じろぎ社会鍋 北中 祥子
冬ぬくし診察室の女医の手話 菅原ルリ子
あしたへの命の柚子ゆずあふれしめ 新美 京子
張り替えて畳の光る冬障子 赤津 千城
園児みな神の子となる聖夜劇 前田 泰男
団らんも遠くなりけり大火鉢 深谷  靖
身綺麗みぎれいに老ひを生きたし冬椿 新美 弘子
もや晴れて羽音の荒く鴨ちぬ 井本 庄一
冬蝶や紙片のごとくふかれ落つ 名倉 英二
手帳る悲喜こもごもや年の暮 森  禎史
吉良邸を引き揚ぐくだり雪晴るる 相澤あき子