広報あぐい

2012.08.01


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★狂俳英比会

桜桃の巻
折オウト 音も無く植木喜ぶ虎が雨 稲葉　景久
折オウト 幼な鳥生まれ喜ぶトキの島 桜井　龍夫
桜桃 味も姿も愛らしい 竹内良太郎
桜桃 頬張れば季感はじける 前野　定三
女の力 家族和合の芯となる 長谷川瑞一
女の力 紅一点で座がなごむ 鈴木　和恵
沖縄 美（ちゅら）の海サンゴが映える 大村　浩嗣
沖縄 基地を背負って今も生く 北村久美子
お前もか 四国遍路で友と遭う 竹内　邦彦
お前もか 屋台の酒で憂さ晴らす 竹内真一郎
沖の舟 イカ釣りの灯りが群れる 山内　和子
面白い恋人 大阪の商魂みえる 南　比左子
尾頭付 祝いの膳に鎮座する 住ノ江雅子
尾頭付 たい（鯛）したものよいわし（鰯）でも 大橋　龍男
奢る平家 諸行無情と琵琶ひびく 加藤　荘吉

★阿久比町短歌の会

真っ黒な雲・雲・雲の大空に一瞬リングの微笑むを見る 岡本　育与
寄り添ひて桜の花弁（はなびら）ふみてゆく二人五脚の老老散歩 長坂吉余子
雨の午後宅老帰りの吾が前に息子の車ハタと止まりぬ 大村寿美子
春風のそよぐ水辺に鶺鴒（せきれい）はピンクの足で尾をふり歩く 竹内　久恵
青青と若葉の繁る公園の森にミモザの花は輝く 佐野　雄造
頷ひてゐれば良かつた女の愚痴結論ありきに砂の零（こぼ）るる 奥田　貞子
沖縄は祖国復帰し四十年基地問題は解決見えず 橋立　智子
読経中時の狭間にまよいつつ想いはめぐる母の法要 加藤かずみ
レストランで箸とる前に手を合はす老婆と少女をそっと見つめぬ 山口　　曻
母の日は吾が手料理にてもてなしを子が居てこその味わう幸せ 山崎　淳子
蕉翁が関の晴れ着とせし花を門辺におきて夏の香を聞く 三留　　享
敗戦に号泣するも参政権得たる喜び総身に覚ゆ 桃井　昌子
カタカタと肩をたたきてひとすじの優しき風が部屋を過ぎゆく 勝　　曉子
雲上のルフトハンザ機耀ひて白き翼に初夏の陽遍し 竹内　清己
キノコ岩自然が織りなす造形美そこに我居て異次元の世界 木村　久世
首出しし蚯蚓（みみず）があわてて引っ込みぬ草取りいるを危険とみしか 渡辺百合子
竹林の若竹の穂と去年の穂と共に揺れ居り梅雨の前触れ 山本きさ子