広報あぐい

2012.02.01


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阿久比町短歌の会

薄ら闇手足に絡み地下道を歩むわが身を追いかけてくる 岡本 育与
悠久の年を重ねて天をさす古木の銀杏我が家を守る 竹内 久恵
八十路なかば頭にひそむ消しゴムがわれの思ひ出又消してゆく 長坂吉余子
白無垢の花嫁の手をとる末孫の紋服姿の何と凛々しく 大村寿美子
砂浜をおおいくる波に身をかがめノリ網張れる人は老いたり 勝  曉子
委の逝きし四日前にれし孫二十四歳を健やかに迎ふ 佐野 雄造
母をまつおさななだめつつだまし舟折ってまぎらす冬の夕暮れ 加藤かずみ
夫は古希弟還暦師走月よろこび事で懐さむし 橋立 智子
君が住む空の下ゆゑ懐かしき欅並木は冬支度すれど 三留  享
訃を聞きて形見となりしマグカップミルク多目のカフェオーレ飲む 奥田 貞子
一人居の友人ポツリひとり言卵一コでも一日送れると 山崎 淳子
ミャンマーの孤児等の笑みには愛ありて育まれしか未来見て生く 木村 久世

阿久比川柳会作品

課題「大根」「考える」
大根めし 湯気の向こうに亡母が居る ますみ
年ごとに考え浅く身は重く 利 夫
楚々と咲く大根の花 亡母に似て 砂 絵
考えて考えついてほっとする 正 江
大根の調理上手に秋食べる 早那恵
ぶり大根 冬を背負って膳の上 螢 子
大根が美脚を競う俺が畑 穂多留
一代を刺身のつまで良しとする みつば
大根が主役と決めた種を蒔く 寿美子
何事もプラス思考に明日を描く 滋 矩