広報あぐい

2011.09.01


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阿久比町短歌の会

朝もやか夜の名残りか薄ら闇 ひとり無言で階段きざはし登る 岡本 育与
のがれんと思う思いの重なりの重き扉が心ふさぎぬ 勝  曉子
かすかなる風を残して吾が傍をスイと燕が飛んでゆきたり 奥田 貞子
幼子がでんでん虫よとはしゃぐ声こぬか雨降る梅雨空の中 山本きさ子
電線に楽譜の如く並びたるつばめの親子が初夏をかなでり 山口  J
朝毎に吾を待ちいし老うさぎ姿なきケージに吾が胸うつろ 大村寿美子
魂魄に光りありせばかくならむ闇に流るる夏虫の群れ 三留  享
はかなげな優しき光はなちつつ蛍は恋の相手さがせり 渡辺百合子
夏パテに良いかと思いニンニクを食べてもやはり歳には勝てぬ 山崎 淳子
裏切りと信頼心は紙一重女の園はいつも戦い 木村 久世
夏至の過ぎ日の入り徐徐に早まればはやも田園に秋茜飛ぶ 竹内 清己
明け方の雨に輝くアジサイに喋の止まりて憩いおるらし 桃井 昌子