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2011.01.15


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町長所信表明

「融和と協調」で“共生”社会の実現を

竹内啓二町長は、12月9日に開かれた平成22年阿久比町議会第4回定例会の冒頭で、3期目に臨む所信表明を行い、町政への思いと、これからのまちづくりの考え方を述べました。一部抜粋で掲載します。

阿久比町長3期目に向けての私の所信の一端を述べさせていただき、ご理解とご協力をお願いいたすものであります。

私は平成22年11月28日に執り行われました、町長選挙におきまして、町民の皆さまの温かいご支援により当選させていただき、3期目を務めさせていただくこととなりました。町民の皆さまや議員の皆さまに対しまして、町政の仕事をさせていただけることに心より感謝申し上げます。皆さまから寄せられた負託の重みを厳粛に受け止め、多くの町民の皆さまのご意見を真摯しんしに拝聴して、町政をあずかる重責と使命の重大さを痛感し、町民の福祉と阿久比町の発展のために、全力を挙げて町政運営に取り組んでまいる所存です。

昭和28年1月1日に町制施行をして初代榎本茂町長から数えて私は9代目の町長となります。今日の阿久比町の発展がありますのは、歴代町長はじめ、議員の皆さまと多くの町民の方々のたゆまぬご尽力とご苦労の賜物によるものです。ここにあらためて敬意と感謝を表するものであります。

平成25年に、阿久比町は町制施行60周年を迎えることとなります。先人の皆さまが、次世代のことを思い考え、努力をされ本町を今日の発展に導きくださったように、たとえ困難なことであったとしても、私たちは次の世代のことを常に思い、「今」行っておかなければならぬことは「今」成し遂げていかねばなりません。そのためには争いではなく力を合わせることにより、より良い阿久比町の建設に邁進しなければなりません。町制60周年には、先人の方々に見ていただいても恥ずかしくない、自慢できる阿久比町の姿にしておきたいものです。

「融和と調和」の上に成り立つ共生の社会の実現を、町民の多くは望まれていると私は感じています。私たちは「虫供養」という郷土遺産を継承してきました。農耕によって犠牲にしてしまった、小さな虫の命にも哀れみと慈しみを持って供養する優しい心を持っているはずです。他人を思いやる気持ちを大切にして、町民一人一人が手を取り合っていかねばなりません。これからの自立したまちづくりには、住民の皆さまと行政がそれぞれの役割と責任を持ち、参画と協働し合うことが必要です。そうすれば「人の和」と「地域の輪」が広がり、「強い絆」となっていくものだと信じます。

幸いにも町内では、防災、子育て、教育など自分たちに身近な問題を「まずは自分たちの手で解決してみよう」という機運が高まってきたように感じます。また、自分の仕事以外の場において、「人の役に立ちたい」と思われている方もみえると思います。こういう方々が活躍できる、機会や場を提供できればと思います。

人は支え合って生きています。人の役に立つことへの喜びの中に生きがいが見いだせるものだと信じます。自立と共生の社会の実現には、人と人との信頼関係が成り立っていなくてはなりません。その礎(いしずえ)は、他を認め合い、思いやる心であると思います。

アインシュタインは「人は他人のために存在する。何よりもまず、その人の笑顔や喜びがそのまま自分の幸せである人たちのために。そして、共感という絆で結ばれている無数にいる見知らぬ人たちのために」と述べています。この言葉に私は強く心を打たれました。私自身今まで申し上げてきた精神のもと、町長の職務に専念し、町政に取り組んでまいります。よろしくお願い申しあげます。

現在阿久比町は名鉄特急が停車する町となり、利便性が良いことから、住宅を求められる方が多く、人口は増加しています。新しい街並みも出来つつある中にあって、3期目は「自然と調和した快適生活空間阿久比」の建設に向けて次に掲げる施策の実現に努力してまいります。

@健康で生きがいのあるまちづくり

少子高齢化の社会問題は、避けることのできない大きな問題です。本町の65歳以上の占める人口構成も22%を超えました。独居老人や高齢者世帯の増加が現実となってきましたので、安心して暮らしていただけるよう地域の方にも協力を願って、「地域で地域を支えるネットワークづくり」をしていかねばならないと思います。また、生きがいをもって人生を楽しく過ごしていただくための「居場所づくり」も進めていきます。

健康管理は、子宮頸がん・ヒブ・肺炎球菌などのワクチン接種の助成を実施していきます。

A子育て支援と教育のまちづくり

子育て支援は、これまでにも「子ども総合支援センター」を開所するなど阿久比町の“宝”である子どもの育成に力を入れてきました。今期は「新保育園の建設」が大きな事業となります。スケールの大きさだけでなく、保育サービスなどの充実を図り、保護者のニーズに応えていきます。また、中学3年生までの医療費無料化を平成22年から始めました。継続して無料化を実施します。

教育では、校舎の耐震化工事はすべての学校で終わりましたので、授業環境整備としてエアコンの設置を進めていきたいと思います。幼保小中一貫教育は、「生きる力」を育てるとともに「学力の向上」にも力を注ぐよう教育委員会へお願いしていきます。

安心して子どもを産み育てていけるようにサポートしていく体制を進め、人を思いやることのできる子どもたちを育てていきたいと思います。

B安全で安心して快適に暮らせるまちづくり

高齢者の交通手段の助成事業として、70歳以上の方にはタクシー料金助成を実施してきましたが、アンケート調査で「循環バスを走らせてほしい」との要望が多くありましたので、早い時期に循環バスの試行運転に踏み切りたいと思います。特急の停車する名鉄阿久比駅を基点に、「鉄道」「バス」「タクシー」による公共交通の充実に努めていきます。

新庁舎建設は、防災の拠点となる機能を備えた建物と町民が利用できる文化ホールを併設した複合型庁舎の建設に取り掛かりたいと思います。

住民サービスの向上を図るため、休日に住民票などの交付を行えるよう整備していきます。

C自然と共生できるまちづくり

私たちのまちの自慢は、大都市名古屋市から30分圏内にありながら、青い空と緑豊かな住環境を持っていることです。次世代に渡していかなくてはならない「大切な自然」と「水と緑と土」を守ります。また、自然と触れ合う環境の整備にも努めていきます。

D活力のある発展するまちづくり

今ある自然を守りながら、土地改良事業を推進し、企業用地を確保したうえで誘致を進め、雇用の機会を増やし、自主財源の確保にも努めていきます。

人口増加につながる住宅開発も継続して行えるようインフラ整備を充実し、安定的な飲料水を確保するため「上水道第三供給地の建設」を行います。

E住民と行政の協働のまちづくり

住民税の1%分の使い道を町民が決める「町民予算枠」を設け、協働によるまちづくりを目指します。また、町民にも参加していただく「事業仕分け」を行い、事務事業の見直しを進めていきます。

以上基本的な施策の一端を申し述べさせていただきました。具体的な施策の実施につきましては、毎年度の予算編成時に適切に計上させていただきたいと考えています。

阿久比町を取り巻く状況は近年大きく変化しています。国と地方の行政の在り方が変わろうとしています。国は組織や事業、さらには規制や予算の編成の在り方をも見直してきています。地域主権時代の到来です。

町民の方とは、行政と住民が一緒になって進める協働のまちづくりの時代に入りました。町民の方も環境保全、防災、防犯など「安全・安心」への意識が高まり、自分たちで行動を起こされています。少子高齢化の進行は止めることはできませんが、本町は新しい住民を受け入れ、人口増加に転じています。このような状況下で、住民のニーズの多様化と変化に対応すべく、町民の皆さんの理解と協力の中で、「第五次総合計画」に示されたまちづくりに取り組んでまいる所存です。

私たちのまち「阿久比町」は、近隣市町と連携を取りながら広域行政の一員として協力し合うとともに、「町の特色を生かしたまちづくり」をすることによって、町の発展と町民福祉の向上が図れるものと考えています。

最後になりましたが、我が国は災害の多い国です。阿久比町も例外ではありません。いつ来るか分からない大地震や集中豪雨などに備えて、町民の生命と財産を守ることは行政の大きな使命であり役割であります。皆さまの生活を守るためにも、「安全で安心して暮らせる安定したまちづくり」を基本に、「自然と調和した快適生活空間阿久比」を目指して邁進してまいります。

議員各位ならびに町民の皆さまに、今後一層のご指導とご協力を賜りますようお願い申し上げ、3期目の就任にあたりましての所信表明とさせていただきます。