広報 あぐい
2010.04.01
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阿久比町短歌の会

 
高遠なる夢掲げしは遥かなり目覚めてもぐる布団の優しさ 岡本 育与
冬の庭をうるおす赤き南天のつぶら実揃いて小さく華やぐ 勝  暁子
聖夜にはネオン輝く我が街に国旗の見られぬ正月寂しき 山口  昇
七回忌過ぎたる父の形見なるジャンパー着込み冬の畑うつ 竹内 清己
贈られし手袋つけて歩みゆくを黄泉の国より友見るらんか 渡辺百合子
明けやらぬ町をゆっくり走りゆくパトカーのゐて安堵に浸る 奥田 貞子
いつの間にか何処かでボタン掛け違う疎遠となりて二年目の冬 加藤かずみ
初詣で氏神様にこつそりと願いに入れぬ短歌の上達 橋立 智子
初春の鼓動といはむ参道に聞く玉砂利の絶へざりし音 長坂吉余子
「屋根の上の…」「陽はまた昇る」を唄いゐし森繁久弥は天上の人 山本きさ子
変らじと思う生活も何時しらに夫の昼寝の多くなりたり 桃井 昌子
老人ならば他人の好意は当然と思ふこころの寂しさ哀し 田中 太平


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