骨粗しょう症とは、骨の中のカルシウム量が減り、スカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。
骨がスカスカになると、重い物を持ったり、転んだりするだけで骨折することがあります。
骨粗しょう症は、がんや脳卒中、心筋梗塞のように、命の危険がある病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折から、要介護状態になる方が少なくありません。
日本では、骨粗しょう症の患者が約1,000万人いると言われていますが、高齢者だけでなく、成長期の子どもや出産後の母親にも骨粗しょう症になる方が増えています。
カルシウムが不足すると骨がもろくなる原因
体内のカルシウムの99%は骨に蓄えられ、残りの1%は血液中に存在します。
血液中のカルシウムは一定量が必要です。カルシウムを取る量が不足すると、初めは腸からカルシウムを吸収して補いますが、それでも不足すると骨からカルシウムが溶け出し、血液中に流れていきます。その結果、骨に含まれるカルシウムが不足し、骨が弱くなります。
骨粗しょう症を予防しよう
一生のうちで骨の中のカルシウム量(骨量)が一番多くなる時期は、10歳代後半〜20歳代のころです。この時期にカルシウムをたくさん取り、骨を丈夫にしておく必要があります。30歳代以降は、今ある骨量をできる限り維持し、骨量が減るスピードをゆっくりにする必要があります。
骨量を維持して骨粗しょう症を予防するためのポイントは、4つあります。
- (1)食事
- カルシウムが多く含まれる食品、(牛乳、ヨーグルト、小魚、ヒジキ、納豆など)を積極的にとりましょう。吸収率が最も高い食品は牛乳です。また、ビタミンD(干しシイタケやキノコ)は腸での吸収を助ける働きがあり、ビタミンK(納豆やチーズ)は骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きがあります。
- (2)運動
- 運動によって骨が刺激されると、体内に取りこまれたカルシウムが有効に使われ、カルシウムが骨に蓄積されます。しかし、運動のし過ぎは逆効果になるので、1日30分程度で十分です。
- (3)日光浴
- カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、皮膚が日光の紫外線を浴びることで作られます。手や顔に1時間ぐらい日が当たれば十分です。
- (4)禁煙
- タバコは骨の形成を阻害するので禁煙しましょう。
自分の骨量をチェックしよう
骨粗しょう症になりやすい女性の方は特に、一度自分の骨量をチェックすることが大切です。検査は、整形外科や婦人科、放射線科で受けることができます。 |