天高く雲の流れて風渡り漓江は霧らう山裾を縫う |
岡本 育与 |
流れ来し終の住み家は阿久比にて子や孫達のふるさととなりぬ |
橋立 智子 |
小窓より射しくる光に銀色の鍋肌白く輝き放てり |
勝 暁子 |
薬師寺の三重の塔見上げたり秋深まれる美しき大和路 |
渡辺百合子 |
敬老の日に頂きし「愛」の額胸に楽しい風が吹き込む |
佐野 雄造 |
愛子様の弾ける笑顔のガッツポーズ運動会の誌面に見入る |
奥田 貞子 |
亡き人の心のままにひまわりの今も咲いてる絵手紙の中 |
加藤かずみ |
朝の月 夜のオーラは無かりしもまあるく白く我を見守る |
木村 久世 |
携帯の操作むずかし私には孫に返してもしもし電話 |
竹内 久恵 |
政権が変れば八十路のわれも又希望新たに今日より生きむ |
長坂吉余子 |
秋深む花無き庭の夕陽光今ある吾が身のあれこれ思ふ |
田中 太平 |
空を突くビルに灯の見え遠くまで熱気渦巻く上海の夜 |
竹内 清己 |