阿久比谷虫供養の歴史
虫供養は米作りや野菜作りで犠牲になった田畑の虫を供養するために念仏を行ったことが始まりとされ、融通念仏の始祖良忍上人(1072年〜1132年)により広められ平安時代終わりころから阿久比でも行われるようになった民俗信仰行事です。
現在、阿久比谷虫供養は町内13地区の持ち回りで当番を受け持ち、当番地区では前年の虫供養で引継ぎを受けてから寒干しや土用干しなどの数々の行事を1年かけて行い、虫供養当日を迎えます。
供養当日は大道場と8つの小屋が設けられ、町指定文化財の12幅の掛け軸などを飾り、導師の先導で同行衆による念仏が唱和されます。また、会場内に建てられた大塔婆の下の砂山を小さな子どもに踏ませると「かんの虫封じ」になると伝えられています。
永い歴史を持ち、戦乱に巻き込まれて中断しても、根強く先人たちの力でよみがえった「虫供養」は、まちの誇れる伝統行事です。 |