広報 あぐい
2009.04.15
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苗代句会作品集

 
芽起しの雨こまやかに句碑ぬらす 岡戸 隆明
取立てて望むものなし薯植ふる 菅原ルリ子
幾山河ありと知りゐて鳥帰る 前田 泰男
土手青むのんぼり洗ふ五条川 豊田 定男
春月や父亡きあとの母脆き 北中 祥子
美しく老いるは難し鳥雲に 新美 京子
避難場所なる公園の草青む 浅利 和子
氏神にくぐれぬ鳥居山笑う 溝口スミ子
白梅の香を(わか)ちあい路地に住む 都築 玲子
下萌や足裏の弾み楽しめり 赤津 千城
下萌ゆる大地踏みしめ深呼吸 新美 弘子
双子にも自我の芽生えや下萌ゆる 深谷  靖
(ぬた)や嫁はいつものよき返事 新美八枝子
水仙の芽丈揃ひて狭の宿 下内 信幸
春の月漁火遠く能登岬 井本 庄一
鴨引きし池の大きく広がれり 大棟 峯子
下萌えに日ごと膨らむ庭の土 安井まこと


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