広報 あぐい
2008.09.15
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苗代句会作品集

 
日盛りといふ静けさのありにけり 岡戸 隆明
走馬灯草花ばかり咲きみだれ 菅原ルリ子
知らぬ者同志も会釈盆の道 前田 泰男
朝顔や学舎の窓辺濃紫 豊田 定男
母許に早めの帰郷盂蘭盆会 北中 祥子
さみしさにはや灯を入るる盆燈籠 新美 京子
祖父の顔知らぬ墓参の孫愛し 浅利 和子
(いつく)しむ犬に(うと)まる酷暑かな 溝口スミ子
蝋涙(ろうるい)は死者の涙か(こん)祭り 都築 玲子
一斉の舞の手が衝く天の川 赤津 千城
風さそふ打ち水清し奥座敷 新美 弘子
盆用意四脚そろわぬ茄子の馬 深谷  靖
洗ひ髪月に(さら)してポストまで 新美八重子
(やぐら)組む老の手だれや汗光る 下内 信幸
年頃の襟元涼し下駄の音 井本 庄一
絵手紙の朝顔の藍滲みおり 大棟 峯子
朝顔や動き初めたる路地の風 安井  誠


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