広報 あぐい
2008.09.15
バックナンバーHOMEPDF版 ダウンロードページへ

あぐいぶらり旅 
〜施設かいわいを行く (エスペランス丸山)〜

シリーズ 阿久比を歩く 84

 



エスペランス丸山入口



丸山公園に並ぶ昔話の石像

エスペランス丸山(阿久比町勤労福祉センター)かいわいをぶらり巡った。

エスペランス丸山は平成元年12月に完成。“エスペランス”とはフランス語で「希望」を意味する。勤労者の余暇活動の拠点、町民のコミュニケーションの場として、「希望」にみちたふれあいの空間となれるよう願いを込めて、施設名に エスペランス とネーミングされている。

1階には成人式などが開かれる「多目的ホール」、2階には円形テーブルが備わった会議室や和室の集会室などがある。

施設内はちょっとした美術館でもある。ロビーには平山郁夫氏がシルクロードを描いた作品「流沙の道」の壁画が飾られ、そのほかにも北村西望氏や池田満寿夫氏などの美術作品が所狭しと飾られる。

「これから季節は秋。エスペランス丸山で美術品を眺めながら、芸術の秋を満喫してはどうでしょうかねえ」と友人が話し掛けてくる。「いい考えだね。奥さんと弁当持ちで来て、芸術に浸った後は、丸山公園のベンチで仲良くおにぎりでも食べたらどう?」。「お金も掛からないし、そうします」。即答で友人の言葉が返ってきた。

武道場が隣接する。今は誰もいないが、剣士を志す子どもたちが剣道の練習に汗を流す場所だ。その奥にテニスコートが2面ある。「ポーン。ポーン」とボールの音が響く。

コートでは女子高校生たちがテニスの練習に励む。浅黒く日焼けした顔からときどきのぞかせる白い歯がとてもまぶしい。躍動する動きは青春真っ盛りだ。フェンス越しに高校生の姿を見ながら、高校生時代の少し甘酸っぱい思い出を懐かしむ。「何ニヤニヤしてるんですか」と友人に問い詰められる。「いや、別に」。「?……」。

現実に戻り、丸山公園へと進む。木陰は秋の風を感じ涼しい。公園内には『浦島太郎』はじめ昔話を題材とした石像が並ぶ。ほのぼのとしたあたたかみを感じる。

しばらく散策して「そろそろ帰ろうか」と友人に声を掛けると「あのベンチにしようかなあ…」。子どもたちがおやつを食べてくつろぐベンチを見て、友人が独り言をしゃべっていた。



<<前ページへ ▲目次ページへ 次のページへ>>