広報 あぐい
2008.07.15
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阿久比町短歌の会

 
爛漫の春は短し転寝(うたたね)の覚めきらぬままに六十路(むそじ)(くだ) 講師 岡本育与
悲し身を慰めているもう一人わたしがいたよ花いちもんめ 桃井 昌子
ガソリンの値上げは辛し今日からは夕餉のビール半分にしよう 山口  昇
ガソリンの値上げに始まり何もかも弱者に厳しい淋しい社会 山崎 淳子
座してみる玻璃窓に映る新緑が歩けあるけと吾れをいざなう 山本きさ子
すやすやと眠るみどり児抱きいて静かなる時過ぎてゆきたり 渡辺百合子
母親と一つ傘にて行く幼時々見上げぬにこにことして 佐野 雄造
夕映えの色合い()でて立ち止まり一日(ひとひ)の終り豊かに眺むる 木村 久世
今は亡き母の植ゑたる紅の芍薬ひとつ仏壇にあり 竹内 清己
物々し警備の垣に囲まれて聖火ランナー世界を走る 大村寿美子
留守番も疎かならず軽財布ねらいし人や電話が鳴りぬ 奥田 貞子
廃品と思い切れずに幾度(いくたび)も眺めし納戸のダンボール箱 勝  暁子


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