広報 あぐい
2008.06.01
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阿久比町短歌の会

 
如月の光が背なを(ぬく)むるも身を切る冷たき墓原(はかはら)の風 講師 岡本育与
ひたすらに春の訪れ待ちわびてコートの下に春色を着る 木村 久世
枯れ葦の(あはひ)に浮かぶ小舟には夜来(やらい)の雪を乗せて静もる 竹内 清己
薄味の嫁の手料理謝しつつもそっと一さじ吾が味加う 大村寿美子
懐かしい響きもて聞く「美しい国」言ひたる男遙かとなりぬ 奥田 貞子
気がつけば心の底にメロディーが千の風吹く母の三回忌 加藤いずみ
五月晴れ元気に育つ人の子も親の苦労知るよしもない 竹内 勝吉
琴の音に香りも増してほんのりと盆梅の姿(あで)やかなりき 竹内 久恵
この日頃日脚(ひあし)延びしと思ふさへこころ(なご)みて亡妻(つま)と向き合ふ 田中 太平
天と地を一つになして春の雪浄くしづけくひもすがら降る 長坂吉余子
一人逝き二人目も逝くこの頃は私の番かとさみしさつのる 新美 功子
根力(ねぢから)の威風堂々盆梅の魅力にひかれし大倉公園 橋立 智子


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