広報 あぐい
2008.02.15
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阿久比町短歌の会

 
さはあれど冬には来にけり昨日より確かに(あか)くなりたる(つた)の葉 講師 岡本 育与
みなれたる遠山(とおやま)今日は美しく錦まといぬ尋ねゆきたし 渡辺百合子
人は皆会えば別れが来る事を悟りながらも日々は過ぎ行く 竹内 勝吉
来る春の若芽の幸せ祈りつつ()しき紅葉(もみじ)は地に還りゆく 佐野 雄造
いつからか置かれしユンボに巻きつきし(つた)も真っ赤に色づきており 勝  暁子
メンデルの法則秘むる豌豆を冷え込む(あした)蒔付(まきつ)けしたり 竹内 清己
「かぐや」より月の出ならぬ地球の出どこまで進む人智のきわみ 大村寿美子
「一番よ貴女が決めた所なら」押し付け上手に又押し切られ 奥田 貞子
脚立(きゃたつ)たて身丈(みたけ)に足して天窓(まど)を拭く仰ぎみる空は青き折り紙 加藤かずみ
携帯の留守電の声元気なり 亡くなりし事夢で有りたし 木村 久世
そよ風に葉ずれの音のさらさらとススキの銀波に夕暮れせまる 竹内 久恵
図書館は静かなる河ここに来てひそと流るる孤愁を愛す 田中 太平


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