広報 あぐい
2006.12.15
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苗代句会作品集

 
長き夜の妻の時間に立入らず 岡戸 隆明
古文書(こもんじょ)のくづし文字()けぬ夜長かな 新美 京子
穴まどひ輪禍(りんか)(むくろ)()からびて 加藤 吉朗
狛犬(こまいぬ)()()預けて子等遊ぶ 溝口スミ子
長き夜の(はっ)して高きひとり(ごと) 北中 祥子
皿の絵の放つ光彩(こうさい)(のち)(つき) 菅原ルリ子
饒舌(じょうぜつ)()ら去りうつろなる夜長 浅利 和子
予後(よご)の身に稿継(こうつ)ぐ夫の夜長の灯 都築 玲子
縁側(えんがわ)(はば)三尺の小春(こはる)かな 赤津 千城
行く秋や財布(さいふ)に残る古切符(ふるきっぷ) 前田 泰男
独り居の家深閑(しんかん)と夜の長し 新美 弘子
秋澄(あきすむ)や日差しゆたかに身をおきて 新美八枝子
声に出し名句に(ひた)る長き夜 深谷  靖
夫婦して歩く城下や菊日和 下内 信幸


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