避難勧告などの判断基準と伝達
平成16年に全国を襲った一連の水害、土砂災害では、避難勧告などを適切なタイミングで対象地域に発令できていないこと、避難勧告などが伝わっても住民が避難しない、高齢者などの災害時要援護者の逃げ遅れなどが課題として挙げられました。
町では、このような問題点を受け、昨年度から、庁内に「避難勧告等の判断・伝達」に係る検討会を設け、具体的な判断基準や対象区域の特定作業を進めてきました。
水害と土砂災害に係る避難勧告などを次の3つに分類しました。
○避難準備(要援護者避難)情報
特に避難行動に時間を要する人が避難行動を開始する段階で、人的被害の発生する可能性が高まった状況です。
非常持ち出し品を持参し、避難する前に、地域の自主防災会に連絡してから避難します。避難行動に支援が必要な人は、避難支援者に協力してもらいます。一般の方も避難準備を始めます。
○避難勧告
通常の人が避難行動を開始しなければならない段階で、人的被害の可能性が明らかに高まった状態です。
避難する際には、隣近所に声を掛けて、避難行動を開始します。
○避難指示
前兆現象の発生や現在の切迫した状況から、人的被害の発生する危険性が非常に高いと判断された状況です。
避難中の方は、確実な避難行動を完了し、まだ避難していない方は、直ちに避難行動に移り、行動に移れない場合は生命を守る最低限の行動を取ります。
水害編
対象なる河川は、2級河川の阿久比川水系の5河川(阿久比川・前田川・矢勝川・草木川・福山川)と十ヶ川水系の2河川(十ヶ川・英比川)の計7河川です。
対象とする災害は、破提、越水はんらん、内水はんらんとし、避難すべき区域は、阿久比町防災マップに掲載してある「東海豪雨浸水実績」「阿久比川・十ヶ川流域浸水予想図」や「東海豪雨罹災証明発行実績」から判断して、宅地や田畑の浸水の恐れがある次の地区(小字単位)としました。(小字単位で表記しているため、地区によっては浸水被害のない家屋もあります。)
- 【横松】
- 大川向・乙張・芝原・清水・清水寺・西側・西之海道・西之崎・前田・宮後田・宮前・楢
- 【萩】
- 池下・詩丹田・清水・新川・砂瀬・曽根・凸清水・眠木・矢下・録丹田・比丘尼田・比良芝
- 【宮津】
- 鼬田・井戸廻間・大場・神池下・蟹田・中森・西大場・西森下・八反田・東王場・二子東・宮天神・宮平池・宮平柴・宮家下・宮山ノ神・名師・森下・八重洲・野添・山子山・山田・小森・中井名・大洲・県城
- 【板山】
- 新畑・柘榴・西ノ海道山・前田・南天白・女夫坂
- 【福住】
- 井堀・郷和池・東脇・平野・坊田・六反田
- 【白沢】
- 庵之下・大橋・沖之田・カナクソ・上大橋・上カナクソ・上釜ヶ池・上前田・北野海道・北ノ前・小山ヶ崎・下大橋・下カナクソ・下釜ヶ池・下蔵々・下谷・下前田・蛇淵・天神裏・天神前・中曽根・縄手・二反ノ田・東中根・前田・向根
- 【草木】
- 御林前・草米山・草五反田・草宮前・草元倉・四分一・新田前・殿井田・半之田・平井堀・平井松・細池・堀田・松山・鞠古・宮前・横手・中郷・栄
- 【卯坂】
- 壱丁田・英比・大平・上大場・上向田・川木・北大平・北ノ浦・北丸根・栗之木谷・古見堂・三明・四反田・昭和・城山・城山下・城街道・神田・砂走・仙入坊・ダラミ・知原岬・西谷・二反田・入道ヶ池・丸根・丸ノ内・山ノ内・山深田・坂部・古川
- 【阿久比】
- 唐透・北下川・五葉・五葉下・千速・中根下・真向塚・南下川・宮後・宮前・駅前一丁目・駅前二丁目
- 【椋岡】
- 曲田・祭礼坊・沢渡・下田原・高田・角平芝・角前田・徳吉・中長・菱田・広表・道上
- 【矢高】
- 内越・梶明・三ノ山高・砂田・高岡北・高岡南・高中根・出口・東郷・東山・六反
- 【植大】
- 植五反田・植高田・植深田・大坪・大野崎・大前田・大松本・柿添・亀坂下・川田・木口・弘矢・光林坊・五郷所・島田内・高徳吉・築地・西徳吉・西向毛・野崎・浜田・東田・東徳吉・東向毛・前崎・御手洗
水害や土砂災害の際の避難行動は、避難経路が冠水するなどの不測の事態などが予想されます。早めの行動が取れなかった場合は、計画された避難所に避難することが必ずしも適切ではなく、事態の切迫した状況に応じて、自宅や隣接建物の2階などに避難してください。
避難勧告などの判断基準は、次のとおりです。
- 【避難準備(要援護者避難)情報】
- (1) 知多地域に大雨・洪水警報が発表され、1時間雨量が40mmまたは3時間雨量が65mmを超えたとき。
- 【避難勧告】
- (1) 知多地域に大雨・洪水警報が発表され、1時間雨量が52mmまたは3時間雨量が83mmを超えたとき。
- (2) 知多地域に大雨・洪水警報が発表され、河川が計画高水位に達し、その後に時間雨量が30mm以上降ると予想されるとき。
- (3) 河川管理施設の異常(破堤につながる恐れのある漏水など)を確認したとき。
- 【避難指示】
- (1) 破提・越水・溢水を確認したとき。
- (2) 河川管理施設の大規模な異常(堤防本体の亀裂、大規模な漏水など)を確認したとき。
阿久比町を流れる阿久比川水系と十ヶ川水系は、5年に1回程度発生する確率の降雨に対して河川改修が実施されています。(広報7月15日号掲載)避難勧告などの発令基準は、この雨量を基準にしました。
避難が予想される大雨のときは、庁舎屋上に設置してある雨量計のデータを、「あんしん防災ねっと」やホームページで逐次発信します。
土砂災害編
警戒すべき個所と対象となる個所は、町内の急傾斜地崩壊危険個所47個所と山腹崩壊危険地区(14個所)です。(阿久比町防災マップ掲載。8月21日に卯坂字栗之木谷地内0.2haを愛知県土砂災害警戒区域に追加)土砂災害の発生の危険性は時間雨量などの短時間降雨指数と土壌雨量指数などの長期降雨指数の相関関係にあります。
愛知県では現在の降雨量から3時間先までの雨量を予測し、過去の土砂災害の事例と対照し、「土砂災害防災情報」を各自治体に情報提供しています。町では、この情報を基準に、避難勧告などを発令します。
- 【避難準備(要援護者避難)情報】
- (1) 愛知県土砂災害防災情報の雨量予測値が、2時間後に「がけ崩れ多発」参考基準値に到達したとき。
- (2) 土砂災害危険個所の巡視で、湧水、小石が斜面からパラパラ落ちだすなどの前兆現象が発見されたとき。
- 【避難勧告】
- (1) 愛知県土砂災害防災情報の雨量予測値が、1時間後に「がけ崩れ多発」参考基準値に到達したとき。
- (2) 土砂災害危険個所の巡視で、斜面の亀裂、斜面のはらみ、擁壁・道路などにクラックが発生などの前兆現象が発見されたとき。
- 【避難指示】
- (1) 愛知県土砂災害防災情報の現在の雨量値が「がけ崩れ多発」参考基準値に到達したとき。
- (2) 近隣で土砂災害が発生。
- (3) 近隣で土砂移動現象、山鳴り、流木の流出、斜面崩壊、沢水の水位低下などが発見されたとき。
避難勧告などは、防災行政無線、あんしん防災ねっと、広報車、ホームページ、自主防災会への連絡などを通じて伝達します。皆さんの住んでいる地域が避難対象になっているかどうか、避難所までの経路はどうかなど「阿久比町防災マップ」を参考に、家族で確認してください。 |