広報 あぐい
2006.08.01
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阿久比町短歌の会

 
野茨の咲かざる枝も春探し風たわむるる川べりの路 講師 岡本 育与
大風呂の曇る鏡にシャワー掛け朧な後の世覗く思ひす 竹内 清己
薄衣に装い替えし山並みの緑にからむ藤のむらさき 大村寿美子
亡き母のしていたように我も又花に問いかけ花に語りぬ 加藤かずみ
ハイキング疲れた我の背をそっと押して息子は歩みを合わせる 木村 久世
真白なるみず木の余花に風吹けりひらひら舞いて春はゆくらし 竹内 久恵
うららかに照れる菜畑なはたに雲雀く春愁と背中合わせのこころして 田中 太平
玄関に掲げし自筆の書を見つつ傘寿を祝ふ口紅ひきて 長坂吉余子
孫の守した日がなつかし今は我守してもらう老人となる 新美 功子
我が腕ですやすや眠る初孫をスタッフ一同起こすに必至 橋立 智子
悩めるを語らう友を慰むる過去の吾れの思い出まじえて 桃井 昌子
菅笠もあかねだすきも夢なるか田植機の音に静寂しじま破らる 山口  昇


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