2006.06.15

★苗代句会作品集

たをやかに藤房（ふじぶさ）棚（たな）にゆれにけり	岡戸　隆明
悪質（あくひつ）な筆（ふで）洗（あら）ひをり夕牡丹（ゆうぼたん）	新美　京子
風車（かざぐるま）集うが如き鉄線花（てつせんか）	加藤　吉朗
薫風（くんぷう）や屋上にある駐車場	溝口スミ子
山藤の懸（かか）り遺跡の登り窯	北中　祥子
琴の音の激しき調（しら）べ藤の雨	菅原ルリ子
山鳩鳴く森をそびらに花菖蒲	浅利　和子
北国の想ひ出遠く君影草（きみかげそう）	都築　玲子
ネクタイを緩（ゆる）めて家路薄暑（はくしょ）かな	赤津　千城
手に掬（すく）ふ木曽の源流渓（たに）若葉（わかば）	前田　泰男
ちひろ館に暫（しばし）しまどろむ遅桜（おそざくら）	上西　啓三
里の寺山の寺へと花行脚（はなあんぎゃ）	新美　弘子
富士望む湖畔の宿や明易（あけやす）さ	深谷　　靖
藤棚を映して泳ぐ池の鯉	新美八枝子
散策の阿久比の里にかつみ咲く	下内　信幸

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