広報 あぐい
2005.11.01
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あなたはだあーれ

〜みんなの童話〜

きょうは、にちようび。
げんきなうさぎのぴょんこちゃんは、みんなとあそびたいと、はらっぱへでかけました。
すると、はらっぱのいりぐちに、なにかがすわっていました。なかよしのりすの、ぴっぴちゃんくらいでした。いろは、ねずみいろにも、くろにもみえる、へんないろでした。
かたちは、しかくでも、さんかくでもなく、まるでもありません。
まるで、ねんどのかたまりのようですが、ゼリーのようにやわらかそうに、みえます。
(なんだろう?)ぴょんこちゃんは、しばらくみていましたが、
「あなた、だあーれ」
と、ききました。
なんだかわからないものが、ぬたりと、あしのほうに、ちかづいてきました。
「きゃー」
ぴょんこちゃんは、おおごえをあげ、もりのほうへ、にげました。
もりのいりぐちで、はあ、はあ、はあ、いきをしていると、りすのぴっぴちゃんがきました。
「ぴっぴちゃん、いまへんなものをみてきたよ」
そういうと、ぴっぴちゃんも、
「わたしも、みてきたよ」
と、いいました。
「あれって、なんだろうね?」
「こえかけたら、うごいたよ」
ふたりがはなしているところへ、たぬきのぽんちゃんが、きました。そして、ふたりのはなしをきくと、
「うごくなら、いきものだろう」
と、いいます。
そこへ、くまのだいちゃんがきました。
「みんなで、みにいこうよ」
「うん、いこ、いこう」
と、そろってはらっぱに、でかけました。
いました。さっきみたところに、あのへんなものは、いました。
「きみって、だあーれ?」
ぽんちゃんがききました。
へんなものは、ぽんちゃんのほうへぐるっと、うごきました。やっぱり、いきもののようでした。
「なまえは、なんていうの?」
だいちゃんがききました。
へんないきものは、また、ぐるぐるっと、うごきました。
「どこからきたの?」
ぴっぴちゃんがききました。すると、「あっち」とでもいうように、からだを、よこにむけました。
「ことばが、わかるんだ!」

ぽんちゃんはそういって、ポンポンポンと、はらづつみをうつと、へんないきものも、それにあわせるように、ぐにゃぐにゃうごきました。
「もしかして、ぼくたちと、ともだちになれるかもね」
と、だいちゃんがいいました。
「へんなかっこうしてるけど、わたしたちとおんなじ、いきものね。でも、なんてなまえかねぇ」
ぴょんこちゃんが、そういったとき、へんないきものは、まえよりもおおきく、ぐにゃりぐにゃりとうごきました。
「なまえがないんだ。ぐにゃりくんてよぼうか」
ぽんちゃんがいいました。
「きっと、かみさまが、なまえつけるのを、わすれたんだ」
だいちゃんがそういったとき、へんないきものが、またうごきます。
それをみたぴっぴちゃんが、
「みんなで、いいなまえを、つけてあげようよ」
と、いいました。
みんなは、さんせいしました。
「うちゅうじん」「ハヤト」「タケル」
「それじゃ、つよすぎるよ」
「サトシ」「タモツ」「マコト」
いろいろな、なまえがでますが、なかなかいいなまえが、うかびません。それでいまも、みんなでかんがえています。

おわり

しろやま会員  かたやま のぶこ



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