| 時の日や少しおくれて鳩時計 |
岡戸 隆明 |
| 歌塚をたのしむ辿り勝見咲く |
新美 京子 |
| 楚楚として雅の香る花かつみ |
加藤 吉朗 |
| 蛇行して梅雨の里川濁り増す |
溝口スミ子 |
| 旗竿に巻き付く幟走り梅雨 |
北中 祥子 |
| 煮炊きの香漂よふ路地に夏燕 |
菅原ルリ子 |
| 夏燕嬰よろこばす宙返り |
都築 玲子 |
| 梅雨に入る一筆書きのしずく跡 |
赤津 千城 |
| 四阿へ飛石七つ花菖蒲 |
前田 泰男 |
| 敏捷に夕日を過ぎる夏燕 |
新美 弘子 |
旧街道 かすめて夏燕 |
深谷 靖 |
| 表札に子の名書き足し夏燕 |
新美八枝子 |
| 花守るなじみの顔やかつみ園 |
下内 信幸 |
| 出陣や戦勝希いてかつみ詠む |
井本 庄一 |
| 花かつみ葉さきに雨を宿しけり |
豊田 定男 |
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