| 此(し)岸なる川の岸辺を歩みきて戻れば気になる我が運命線 |
講師 岡本 育与 |
| ようやくに吾が狭(さ)庭辺も色づきて桜花(はな)に負けじと海棠の咲く |
大村寿美子 |
| 湿原のとんがり帽子の小人達風白く染むる水芭蕉の花 |
加藤かずみ |
| 息子達のまったく違う体型に密かに想う足して二で割る |
木村 久世 |
| 風吹けば散り行く桜のいさぎ良さ足とめ見上げる古木の下に |
竹内 久恵 |
| 米あまる世になりたれど一粒に飢えのさもしさ今もなお持つ |
田中 太平 |
| ささめきて散りしく桜のうす紅に古刹の境内(には)はたけなわの春 |
長坂吉余子 |
| ダイヤルし孫の声聞きさみしさを振り払えば元気湧き出す |
新美 功子 |
| 今年また巡って来ました大好きな春です芽吹く私も芽吹く |
橋立 智子 |
| 鏡中に母とも思うわれの居て微笑みかけきぬ今日の幸せ |
桃井 昌子 |
| 老いぬれば朝の散歩は我がサロン往き交う人との雑談楽しき |
山口 昇 |
| 夫が居て子供等が居て孫が居ていろんな友居て無きは才と金 |
山崎 淳子 |