広報 あぐい
2005.06.01
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2005年 ほたる(2)

町ホタル専門員 竹内 勝彦

6月中下旬にはホタル(成虫)になりますよ

5月になると、幼虫は上陸しようと行動を起こします。今年は、5月17日に、すべての幼虫を場内の人工川に放流しました。ちょうど、CBCテレビの取材がありましたが、その夜、幼虫たちは早速川岸へ移動し、背中に2つの明かりをつけて上陸を目指す、幼虫たちのすばらしい光景が見えました。

場内の2本の人工川は、昨夏に改修しました。今までの深い川底に敷いた川砂に、有機物が沈殿して、ヒルが大量に繁殖しました。このヒルは、幼虫の餌になる巻貝を襲うので、大変困りました。そこで、川底をコンクリートで浅くし、砂を入れないようにして、良質の水流を確保しました。

両岸には、川砂と赤玉土を混ぜた土で上陸地を造り、成虫が止まったり、産卵したりするのに適当なシダ、ヨモギ、ミスゴケを植えました。

上陸した幼虫は、気に入った場所で少し休んだ後、粘液で砂粒を固めて「土まゆ」を造ります。その後、土まゆの中で白っぽい蛹(さなぎ)に変身します。1週間後には、羽化してホタルの姿になります。2枚の羽が黒っぽくなると地上に出ます。
卵から1年が経ちました。
(つづく)

 

上陸地の風景


サナギの姉弟?



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