5月になると、幼虫は上陸しようと行動を起こします。今年は、5月17日に、すべての幼虫を場内の人工川に放流しました。ちょうど、CBCテレビの取材がありましたが、その夜、幼虫たちは早速川岸へ移動し、背中に2つの明かりをつけて上陸を目指す、幼虫たちのすばらしい光景が見えました。
場内の2本の人工川は、昨夏に改修しました。今までの深い川底に敷いた川砂に、有機物が沈殿して、ヒルが大量に繁殖しました。このヒルは、幼虫の餌になる巻貝を襲うので、大変困りました。そこで、川底をコンクリートで浅くし、砂を入れないようにして、良質の水流を確保しました。
両岸には、川砂と赤玉土を混ぜた土で上陸地を造り、成虫が止まったり、産卵したりするのに適当なシダ、ヨモギ、ミスゴケを植えました。
上陸した幼虫は、気に入った場所で少し休んだ後、粘液で砂粒を固めて「土まゆ」を造ります。その後、土まゆの中で白っぽい蛹(さなぎ)に変身します。1週間後には、羽化してホタルの姿になります。2枚の羽が黒っぽくなると地上に出ます。
卵から1年が経ちました。
(つづく) |