平泉寺の表門から下った所にある唐松の井戸(慈覚大師円仁の祈とうにより水が湧き出し、農民を日照りから助けたと伝えられる井戸)をのぞき、角前田の交差点を渡り、西に向かって第十七番札所、高岡地区の観音寺を目指した。
県道は車の通りが多い。交通安全に気を付けながら歩を進めると、弘法寺を示すのぼりが見えた。矢印に沿って細道に入った。間もなく見上げるような石段が目の前に現れた。
小高い丘の上に観音寺はある。石段を1段1段と登り始めた。半分くらいまで登った所で、ふと「何段あるのだろうか」と思い、もう一度下に戻って数えることにした。かなり険しい急な石段で、運動不足の私たちにはつらい。「はあー、はあー」息が切れた。74段あった。
登りきった場所から、後ろを振り返って見る。目の前に植大地区の住宅や田園風景が広がる。
一礼して境内に足を踏み入れる。今まで巡った中では一番小さな寺に感じられ、正面に本堂がひっそりと建っていた。幼い子どもが2人、堂の前で手を合わせて何か願い事をしている。とてもほほえましい光景が目に映った。
あいにく住職は留守だったが奉納経に朱印を押してもらい、話を聞いた。この寺の住職は、知多四国で3人しかいない女性の内の1人だそうだ。せっかくの機会だったのに会えなかったのがとても残念。
寺の中を見せてもらった。欄間に金箔が施された立派な彫刻がある。今にも飛び出してきそうな、躍動感あふれる「竜」の彫り物。山車の彫刻で知られる 彫常 の作品だそうだ。
「山車の彫刻は1年に1度しか見えませんが、ここに来てもらえば毎日見えますよ」と副住職。
本尊の十一面観音菩薩は50年に一度しか開帳されない秘仏ということだ。平成11年に開帳した際には「仏自体は真っ黒でした。目元が厳しく、目から光線を放っているような神秘的な顔でした」と副住職が感想を語ってくれた。次回開帳のときにはぜひ見てみたい。(元気ならば私は82歳になっていると思う)
観音寺の境内を出て、74段ある石段を下り、来た道を通り役場まで戻った。前回に比べれば、体力がついたのか、足の疲れは少なかった。(やはり翌日筋肉痛)
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本堂に手を合わせる子ども

朱印をする副住職

石段最上段から見える田園風景
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