広報あぐい

2014.04.01


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苗代句会

二月作品
土の香も草の香もはや春めきぬ 岡戸 隆明
ただならぬ音たて真夜のしづり雪 溝ロスミ子
早春のせせらぐ水に鍬洗ふ 下内のぶゆき
ノーサイド握手の顔に春の土 安井まこと
女傘借りて戻りぬ春の雪 北中 祥子
投げ入れてさい響き合ふ梅日和 菅原ルリ子
飛簷ひえんよりひかりて春の雪しづく 新美 京子
生かされているこの命春立ちぬ 赤津 千城
手話の指雪の深さを語りけり 前田 泰男
かんな屑まるく転がす春の風 深谷  靖
公魚の光こぼして釣られけり 豊田 定男
春立つと目覚まし時計鳴りにけり 井本 庄一
山里は去る人多し杏咲く 名倉 英二
トンネルを抜けて早春眩しかり 森  禎史

阿久比町短歌の会

筆順は結局人間ひとの決めしこと書きたいように書くが我が主義 岡本 育与
親切も深入りせずとほどほどに体調くずせし友見て思う 橋立 智子
大学の孫の学費を稼ぐためは冬空をパートに急ぎぬ 山口  J
年齢とし故に聴音何かと意に副わず孫買いくれし補聴器うれし 大村寿美子
日当たりのよき縁側に布団干す夜を楽しみ生きる幸せ 山本きさ子
指折りてサンタ来る日を待つ幼夢の中にもトナカイ走る 竹内 久恵
強風に青空そらの舞台で竹林たけしなう円を描いてワルツのように 加藤かずみ
行くもならず退くもならずで目覚むれば猫が無心に毛繕いをり 三留  享
共に食みし共に話しし義母逝きて家の中には寂しさ漂う 渡邊百合子
兵隊に行く日も拝みし熱田の宮生きて還れし敗軍の民 佐野 雄造