広報あぐい

2013.06.01


広報あぐい トップ » その他

苗代句会 四月作品

永き日を溺るる如く読む一書 岡戸 隆明
神鶏の長鳴く梢日の永し 溝ロスミ子
父の背の丸ろき温もり昭和の日 下内のぶゆき
辞職して初めて分かる永き日を 安井まこと
パン生地の発酵すすむ日永かな 北中 祥子
弁当の蓋の飯粒昭和の日 菅原ルリ子
アルバムに往昔しのび昭和の日 新美 京子
おぼろ夜や胃の腑にしみる美酒に酔ひ 赤津 千城
色褪せし戦記ひもとく昭和の日 前田 泰男
永き日や動き続ける牛のロ 深谷  靖
タ空のゆつくり褪める日永かな 新美 弘子
老犬の欠伸重ねし日永かな 豊田 定男
昭和の日風鳴る丘の忠魂碑 井本 庄一
汐引いて島までの道日永かな 名倉 英二
貧しくも楽しき記憶昭和の日 森  禎史
拉致されてまだ還らざる昭和の日 相澤あき子

阿久比川柳会作品

課題「雛(ひな)」「見る」
色褪せた中馬の雛に想い馳せ 早那恵
美しいものだけ見よ亡母の言 寿美子
姉さんの行かずは雛のせいでない 小五味
振り返れば人生続く尾根の道 風 露
お雛様 運動不足ならないで 正 江
百歳の父の黒眼が的を射る ますみ
変わり雛 変化の中に時代見る 砂 絵
サスペンス 監視カメラは名刑事 穂多留
母から子 孫に引き継ぐ雛節句 柚 子
見ぬふりをするのも人の育て方 利 夫
雛壇も自分に合った席がある 螢 子
通り雨 過ぎれば確と虹架かる みつば
五十年 今日も達者な夫婦雛 君 江
見る夢の幅も狭まる歳となる 松 衛
ライバルの前では見せぬ脳の錆 滋 矩