広報あぐい

2012.11.01


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いもほり

〜みんなの童話〜

 プルールーン、プルーン。
 夕ごはんを食べていると、電話がなりました。
「あみちゃん、明日いもほりにこない?」
 おばあちゃんからでした。
「ねぇ、お母さん。行ってもいい?」
「ああ、いいよ」
と、オッケーをもらいました。
 次の日の朝、わたしは、おばあちゃんの家に行きました。
 いとこのまりちゃんも弟のけんちゃんときていました。
 おばあちゃんは、わたしの顔を見ると
「さあ、でかけようかね」
と、わたしたちを車にのせました。
「出発進行」
と、けんちゃんが、いいました。
 畑につくと、おばあちゃんは、車から道具を取り出し、いものつるを切りだしました。
 けんちゃんは、つるから飛び出すバッタを、おいかけます。わたしとまりちゃんは、いものつるをひっぱります。つるを取ると地面がでてきます。地面はでこぼこしていてさつまいもができているのかと、心配なほどです。
 おばあちゃんは、
「今年のいもはあまみの多いいもになっているよ。さあ、つるの切れたとこから、ほってごらん」
 そういって、スコップや草取り用の小さなくわを出してくれました。わたしとまりちゃんは、地面のもりあがった所をねらってほっていきました。でも、なかなかでてきません。
 さつまいもは、土の中に根をはってそこにいもができると、おばあちゃんはいいます。
「どれ、少しおこしてあげよう」
くわで、ほってくれました。
「わーっ。おいもがでてきたよ」
まりちゃんが、大きな声をだすと、けんちゃんがとんできて、
「おねえちゃん。やったー」
と、歓声をあげました。
 わたしは、いっしょうけんめいスコップでほりました。いもの頭が少しでてきました。でも、まりちゃんのように全部でてこないのです。まりちゃんは、またほったようです。
 わたしは、小さなくわにかえてほりました。大きいいものようですが、なかなかでてきません。
「大きなおいも、でてこーい」
 けんちゃんが、手伝ってくれました。まりちゃんも手伝ってくれました。三人でほってやっとでてきました。その大きなことといったら、まりちゃんのほった三こか四こ分もありました。
 おばあちゃんが、
「これは、大きいこと。文化まつりに、だしたら優勝するよ」
と、笑いました。
 今まで遊んでいたけんちゃんも遊びをやめてほりはじめました。
 わたしもまけまいと、ほりました。まりちゃんもほっています。
 おばあちゃんが、畑のすみで火を、おこしました。それからいもを洗って、ぎんがみにつつみ火の中にいれていきました。
「おばあちゃん、やきいもつくっているの?」
「ああ、そうだよ。やけるまでもう少しがんばっておくれ」
 それを聞いてわたしとまりちゃんは、うれしくなって、せっせとほりました。
 しばらくすると、おばあちゃんがよびました。
「さあさ、みんなおしまいにしようよ。手をあらっておいで」
 けんちゃんが、一番に手をあらいに行きました。わたしもまりちゃんも、おしまいにしました。
 おばあちゃんが、ござをしいて、ばしょをつくりました。
「さあ、やきいもできたよ。みんなでたべようよ」
 みんな丸く輪になってすわり、やきいもを真ん中におきました。
 ぎんがみが、黒くこげていいにおいがします。おばあちゃんが、ぎんがみをとってくれました。
 ふーふーいいながら、やきいもをたべます。そのあまいこと、やっぱり、おばあちゃんのいったとおりでした。地面てすごいなぁ。こんなに甘いおいもを作ってくれるんだ…。わたしは、地面にはふしぎな力があるんだなぁ。と思いました。

しろやま会員 かたやまのぶこ