広報あぐい

2011.12.01


広報あぐい トップ » その他

阿久比町短歌の会

雨にぬれ雲に隠され陽に映ゆる 今宵は星降る穂高の山脈やまなみ 岡本 育与
夕立の水滴葉末にゆらしつつ秋あかねの群れ涼しげにとぶ 大村寿美子
幼子がかくれんぼする鬼はばば一、二、三・・ちがう九、八、七もういいよ 山本きさ子
隣家の三歳の孫わが家に来ては笑いを残して行けり 渡辺百合子
畦道に稚児の行列みる如く並びて緋緋曼珠沙華の咲く 桃井 昌子
病院の友を見舞へば枕辺まくらべに夫人の遺影がそっと置かれり 山口  J
立つ雲もいつしか消えてひとはけの雲の向こうに出番待つ秋 加藤かずみ
卓上の水槽の水飲む猫と慣れっこのメダカ日常茶飯事 山崎 淳子
無言館吾と向き合う遺作の絵続きが描けぬ無念を想う 木村 久世
「不自由を常と想へば不足なし」亡夫ちちの小言の始まりなりき 奥田 貞子
里芋の入りたる味噌汁熱くして朝の冷気の中に啜りぬ 竹内 清己
からからと乾いた音たて坂道を下る枯葉の我にまつわる 勝  曉子

狂俳英比会

十一月の巻

折リツト 流麗な鶴渡り来る遠野の地 長谷川端一
折リツト りんご狩り摘み取る笑顔時なごむ 住ノ江雅子
立冬 季節の折り目肌が知る 竹内良太郎
立冬 朝の空気が凛と澄む 南 比左子
浮気者 三行半を突きつける 前野 定三
浮気者 花から花へ蜜を吸う 山内 和子
野荒し 出荷控えた農家泣く 竹内 邦彦
じっと考え 長い沈黙一手指す 北村久美子
栄光 永の苦労に報われる 大橋 龍男
浮かぬ顔 心配事が後絶たぬ 大村 浩嗣
濡れ場 恋の道行き幕下りる 竹内真一郎
バランス感覚 経済格差デモを生む 加藤 荘吉