広報 あぐい
2010.07.01
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阿久比町短歌の会

 
春嵐ゴミ吹き飛ばしそのはたて粗大ゴミなるわれに襲い来 岡本 育与
人を思ひ人に思はれゆくりなく八十路の坂を生かされてをり 長坂吉余子
我が足で六十余年歩みしが膝の痛みで一歩が出せぬ 橋立 智子
支えきれずゴロンと倒れしアマリリス花瓶に挿せば十日を咲き継ぐ 奥田 貞子
竹薮にて宝探しをする如く落葉かき分け筍見つけぬ 山口  f
竹林の葉ずれの音に歩を止めて一足入れば春は来ており 竹内 久恵
病む地球 内戦 地震 火山灰 一日も早く平穏を祈る 大村寿美子
春うらら桜の下にボード止め二人で作った二人の世界 加藤かずみ
花吹雪浴びて歩めば敷石の間をあわいめし花びらも舞ふ 佐野 雄造
寒空にみの虫ひとつぶら下げて芽吹くまがきに春待つ柳 田中 太平
いつまでも必要とされるささやかな望みを持ちて今を励めり 山崎 淳子
絵空事言う人聞く人それぞれや人の口には戸はたたずばい 桃井 昌子


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