「緊急地震速報」を知っていますか
○「緊急地震速報」とは
地震の揺れは、震源から波紋のような波(地震波)として伝わってきます。地震波には二種類あり、P波(初期微動)とS波(主動波)です。最初に伝播の速いP波(毎秒約7km)がカタカタと伝わり、次に強い揺れのS波(毎秒約4km)が伝わります。地震による被害は主に後から伝わるS波によってもたらされます。
「緊急地震速報」とは、気象庁が、地震の発生直後に、震源に近い地震計でとらえたP波の観測データを解析し、震源や地震の規模を直ちに推測して、各地でのS波の到達時間や震度を推定し、IT技術を活用して可能な限り素早く知らせることを目指す新しい情報です。
○「緊急地震情報」への期待と限界
この情報を利用して、受信した列車やエレベーターを素早く制御して危険を回避し、工場や事務所、家庭などで避難行動を取ることで、被害を軽減することが期待されています。
しかし、「緊急地震速報」で、情報を音声で発表してから強い揺れが到達するまで、長くても十数秒から数十秒と極めて短く、震源に近い場所や内陸の直下型地震では、情報の伝達が強い揺れに間に合わないことがあります。
ごく短時間のデータだけを使った情報なので、予測された震度に誤差を伴うなどの限界もあります。
「緊急地震速報」を適切に活用するためには、このような特性や限界を十分に理解する必要があります。実際に「緊急地震速報」を見聞きした時は、慌てて出口や階段に殺到しないことや、大きな家具などから離れ、丈夫な机の下などに身を隠すなど、落ち着いて適切な行動することが大切です。
○「緊急地震速報」の実証実験
気象庁では、早期に広く一般に提供できるよう、必要な検討や周知・広報などを進めていますが、平成18年8月から「緊急地震速報」の先行的な提供(現時点で提供しても混乱を生じないと考えられる分野に限る)を開始しました。
阿久比町役場でも庁舎内にケーブルテレビ回線を利用した試験受信機を2月に設置しました。 |