広報 あぐい
2006.11.15
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阿久比町短歌の会

 
送り火を焚き終え見上ぐる空低く赤き下弦の月の傾く 講師 岡本 育与
いくさせぬ国となりたる今日の日をよろこび数ふ六十一年 田中 太平
明日はあす今日の一日が大切と朝の厨にきうりをきざむ 長坂吉余子
紺碧の空と海にてのんびりと幾種の人種とすごした七日 新美 功子
じじばばの二人の生活(たつき)潤うは時々会える孫の愛らしさ 橋立 智子
登下校の児童へ一声(ひとこえ)見守り隊のシルバーパワーが今役に立つ 桃井 昌子
たまさかに自転車漕げば向かい風僅かな坂道老いに厳しき 山口  昇
テレビ無きも慣れてしまえばそれも良しと
言いつつ直ればまたながら族
山崎 淳子
「こおろぎがつづれさせよ」と鳴いてゐる母の言葉も死語となりたり 山本きさ子
様々な人の乗りいるロンドンの地下鉄に乗る不安抱きつつ 渡辺百合子
養殖の鰻くの字に背が曲がり成長早める薬害疑ふ 奥田 貞子
倒れてもまた倒れても起き上がり優しく揺るるコスモスの花 佐野 雄造


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