2016.12.15
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よく耳にする「還付金詐欺」や「オレオレ詐欺」などと呼ばれるもののほか、身に覚えのない請求でお金をだまし取る「架空請求詐欺」、融資会社を名乗り保証金をだまし取る「融資保証金詐欺」の4つの詐欺の総称です。
現在、日本中で振り込め詐欺の被害が増加しています。愛知県内と半田警察署管内では認知件数、被害額ともに10月末で昨年1年間を超えています。
振り込め詐欺の中でも役場や金融機関など社会的に信頼のある名前をかたり、「還付金があり、お金が返ってくる」という甘い言葉でATM(現金自動預払機)を操作させ、現金を振り込ませる還付金詐欺が多く発生しており、注意が必要です。特に、ATM操作に慣れていない高齢者が被害に遭うケースが多く報告されています。
※対前年(平成27年)被害総額との比較。なお数値は愛知県警察のホームページ、半田警察署提供のものを利用
振り込め詐欺に遭う被害者のほとんどが高齢者です。原因はさまざまありますが、主なものとして「人間関係の希薄化」「詐欺に関する情報不足」「当事者意識の欠如」の3点が挙げられます。
高齢者世帯や独居老人が増え、地域や家族とのつながりが希薄になっており、高齢者が気軽に相談できる場が少なくなっている上、「役場がATMでお金を返すことはない」「息子や孫がもともと使っている携帯電話に確認の電話をする」など、振り込め詐欺防止に対する情報や知識を知らない方が多くいます。また、警察庁が行った意識調査で、被害に遭った高齢者の8割以上が「自分自身が振り込め詐欺の被害に遭う可能性が『全くない』『ほとんどない』」と回答し、多くの高齢者が「自分には関係ない」と油断していることが分かります。
振り込め詐欺は高齢者だけでなく、若い人も被害に遭っています。若い人に関しては「無料だと思いアダルト情報サイトなどに登録したところ料金を請求される」「利用した覚えのないサイト利用料を請求される」などのインターネットに関連した詐欺が多くを占めています。
ある日の午後、阿久比町役場保険課のコジマを名乗る職員から電話があり、「医療費の還付金に未払いがある。期限が切れているため役場で手続きはできないが、金融機関で直接手続きすれば間に合うので、契約している金融機関を教えてほしい」と言われました。金融機関を教えると、しばらくして、その金融機関のキタムラと名乗る職員から「今日中に手続きしないと間に合わないので、すぐにキャッシュカードを持って近所のスーパーのATMに行って手続きしてほしい。着いたら電話してほしい」と言われ、相手の携帯電話番号を聞きました。
自身の経験から、役場の課名が怪しいと感じて役場に電話してみると、保険課は無く、コジマという職員もいないことが判明し、被害に遭わずに済みました。
「還付金と聞くとうれしくて話に乗りそうになったが、役場に確認して良かった」と話すAさん。次の日、ラジオから隣の町で200万円の振り込め詐欺被害が発生したことを聞き、残念な気持ちになったそうです。
振り込め詐欺は、被害にあった人が特別ではなく、いつでも・誰にでも起こる可能性があります。被害に遭わないよう、離れて生活している家族はもちろん、近所に住んでいる家族であっても、こまめに連絡を取り合うことが大切です。また、高齢者はもちろん、若い人たちも、日ごろから、不安なことや困ったことを気軽に相談できる環境づくりに努め、振り込め詐欺について必要な情報を集めたり、知識を付けるためにも普段から話題にしたりしましょう。家庭では、留守番電話、ナンバーディスプレイの活用なども効果的です。
万が一、振り込め詐欺と思われる電話がかかってきたら、慌てずに家族や友人、警察などに相談してください。警察は皆さんの味方です。気軽に電話してください。
振り込め詐欺の予防策は多くありますが、被害を防ぐ切り札は、『人と人の絆』です。ぜひ、家族でこまめに連絡を取り合うようにしてください。そして、日ごろから、一人一人が家族や友人、地域の方に相談できる人間関係を築くように心掛けましょう。
しかし、詐欺の手口が巧妙化しており、一人で被害を防ぐことは困難です。「自分は大丈夫」と油断せず、高齢者はもちろん、家族や周りの人たちも必要な情報を集め、知識を付け、「家族の目」「地域の目」で関わりのある高齢者をさりげなく見守りましょう。電話でお金の話が出たら、すぐ行動に移さず、「待てよ」と一呼吸おき、家族や友人、または警察や役場などに相談するようにしてください。困ったときに相談に乗ってくれる人はあなたのそばにいます。
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