2013.10.01
広報あぐい トップ » その他
| 健康といふ純白の夏帽子 | 岡戸 隆明 |
|---|---|
| ひぐらしや亡き夫の声父母の声 | 溝ロスミ子 |
| 秋茄子の紺の色増す朝餉かな | 下内のぶゆき |
| 塗り箸の漆の匂ひ今朝の秋 | 安井まこと |
| 行人に柄杓伏せあり山清水 | 北中 祥子 |
| 海鳥の羽毛晩夏の波の間に | 菅原ルリ子 |
| 世を隔つおもひに降ろす秋簾 | 新美 京子 |
| 退院の妻念入りに髪洗ふ | 赤津 千城 |
| 花火師の晴れ舞台なる空無現 | 前田 泰男 |
| 別人になりたく旅にサングラス | 深谷 靖 |
| ロ開く事なき一日仏桑花 | 新美 弘子 |
| 炎天に赤信号の長さかな | 豊田 定男 |
| 迎火や母屋の大戸開けて待つ | 井本 在一 |
| 草揺らす風の間に間にきりぎりす | 名倉 英二 |
| 去りがてに更に一杓墓参かな | 森 禎史 |
| アッツ沖に聴く海の日の鎮魂歌 | 相澤あき子 |
| フクシマに世界初なるロボットの町現れる 夢の断片 | 岡本 育与 |
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| 淀んでる暑さと闇を溶かしつつ深き藍色真夏の夜明け | 加藤かずみ |
| 吾乍ら老いし頭脳をもてあます忘れ事多く臍をかみしむ | 大村寿美子 |
| 亡き友の形見の帯を固く締め今年も踊りの輪の中に入る | 橋立 智子 |
| ミニスカートの女性の閑歩に目をそらす「淑やか」の言葉も遠くなりたり | 山口 曻 |
| 小手毬の白き花散る風の中まぼろしの母揺れてなつかし | 竹内 久恵 |
| 国敗れ楽しき事も多かりきこの先幾年生きるか知らねど | 佐野 雄造 |
| 朝の陽は吾が臥所まで射し来たる今日も炎暑を蝉は鳴き出ず | 山本きさ子 |
| 戦争の傷あと見えぬホーチミン バイクに乗る人溢れておりぬ | 渡邊百合子 |
| 立ち枯れの百日紅の木根元より枝伸びピンクの花を咲かせり | 桃井 昌子 |
| 遥かなる山の彼方に住むといふ幸せ紡ぐ街角の家 | 三留 享 |
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